月
劇場公開日:2023年10月13日 144分“観る楽しさ”倍増する特集をチェック!
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解説・あらすじ
「舟を編む」の石井裕也監督が宮沢りえを主演に迎え、実際に起きた障がい者殺傷事件をモチーフにした辺見庸の同名小説を映画化。
夫と2人で慎ましく暮らす元有名作家の堂島洋子は、森の奥深くにある重度障がい者施設で働きはじめる。そこで彼女は、作家志望の陽子や絵の好きな青年さとくんといった同僚たち、そして光の届かない部屋でベッドに横たわったまま動かない、きーちゃんと呼ばれる入所者と出会う。洋子は自分と生年月日が一緒のきーちゃんのことをどこか他人だと思えず親身に接するようになるが、その一方で他の職員による入所者へのひどい扱いや暴力を目の当たりにする。そんな理不尽な状況に憤るさとくんは、正義感や使命感を徐々に増幅させていき……。
洋子の夫・昌平をオダギリジョー、同僚のさとくんを磯村勇斗、陽子を二階堂ふみが演じる。
作品データ
| 製作年 | 2023年 |
|---|---|
| 製作国 | 日本 |
| 配給 | スターサンズ |
| 劇場公開日 | 2023年10月13日 |
| 上映時間 | 144分 |
| 映倫区分 | PG12 |
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映画レビュー
レビューするさとくんというアンチテーゼを生んだ社会=私たち
ネタバレ注意
匂いは映像で伝わらない
生産性、という言葉が定着して久しい。いや、製造や仕事の成果という点で昔からあった言葉だと思うのだけど、人間を評価する尺度としてこれが定着してしまった。そのことをどう考えるべきか、過酷な競争社会に煽られてしっかりした議論ができないままに社会は動き続けている。あらゆる人間の評価が数字に置き換えられていきそうな時代になってしまった。 本作の題材となった事件は、そんな人間を生産性で判断してしまう社会の行き着く先を示したようで、大きな衝撃を与えた。だが、ニュースが出た時多くの人は、単純にクレイジーな人間がクレイジーな行動に出たという風にしか受け止めていなかったのではないか。 しかし、多くの人も、どこかにあの犯人にように、生産性を尺度に人間を評価する心情を抱えているのではないか。本作は犯人をクレイジーな人間として描かず、周囲の人間にも一歩間違えれば同じようになりそうな危険性も混ぜつつ描いている。 そして、現実を知るということの困難さも本作は浮き彫りにする。カメラは真実を映せるだろうかとこの映画は問うている。 カメラを通じてニュースを見るだけでは現実を知ることはできない。典型的なのが匂いだ。匂いはカメラに映らない。この映画はそのことに自覚的だ。きっとこの映画の作り手は、「誰も挑まない社会の現実を見せた」という自惚れはないと思う。津波直後の匂いも排泄物の匂いも映像では伝えられない、その限界をきちんと自覚しているのだと思う。
題材はいい
ネタバレ注意
・宮沢りえ、磯村勇斗、二階堂ふみ。辺見庸の小説が原作。 ・まだ、言...
・宮沢りえ、磯村勇斗、二階堂ふみ。辺見庸の小説が原作。 ・まだ、言葉にならない。対岸の火事とするには近い題材で、相模原の殺傷事件をモチーフに書かれた作品。さとくんにはならないけど、さとくんを幻滅させた職員側にはなりうる。社会の無関心への問題提起が、きょうされん何十年の歩みより強烈に、ストレートに社会に突き刺さったことに感銘を受けたのが一番大きい。映画館でもたくさん人がいたし。みんなはどう思ったんだろう。自分への反省や自戒はわいたろうか。などと、人の反応を気にしている時点で対岸の火事を決め込もうとしてるんだろうか。 ・でも、意思表示がなくても、生きてるんだよ。家族の、誰かの生きる希望だったりするんだよ。「あん」の映画も思い出した。生きるって、狭い現社会での用/無用の表面的な物差しとは大きく離れた次元でみんな同じ重みなんだと思う。宗教性が自分のなかではわいてきた。
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受賞歴
第47回 日本アカデミー賞(2024年)
受賞
| 最優秀助演男優賞 | 磯村勇斗 |
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