ニデック品質不正、ポスト永守「試練とチャンス」 山口利昭さんらとThink!

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。5月8日〜15日の記事では、山口利昭法律事務所代表弁護士の山口利昭さんが「ニデック品質不正、ポスト永守体制の『最初の試練で最後のチャンス』」を読み解きました。このほか「3メガバンク、AIミュトスのアクセス権入手へ」「企業年金、迫る確定拠出>確定給付」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。振り返ってみましょう。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)
「ニデック品質不正、ポスト永守体制の『試練とチャンス』」をThink!


【山口利昭さんの投稿】今年発覚したエア・ウォーター・グループにおける会計不正事案の多くは、第三者委員会が設置した社内リニエンシー(自主申告制度)窓口への900件もの通報で判明しました。同じように、ニデックの品質不正事案発覚の件も、再生委員会の指導によって情報障壁が取り除かれたことによるものと思います。原因究明にあたって大切なのは、現場の心理的安全性が乏しかったために声を上げることができなかったのか、それとも現場は声を上げていたが、伝達経路において、現場の声が握りつぶされていたのか、という点を明らかにすることです。このあたりの原因究明があいまいなままでは、再発防止策の実効性にも疑問が残るままとなります。
「3メガバンク、AIミュトスのアクセス権入手へ」をThink!


【西原里江さんの投稿】邦銀による新型AIのサイバー攻撃への備えの一歩となる朗報だ。アンソロピック「ミトス」のプロジェクト・グラスウィングのローンチパートナー11社はビックテック、セキュリティ事業者、金融機関等からなり、その後40社程拡大されたが、社名の開示はなかった。パートナー企業はアンソロピックからテスト結果のレビューを受ける。政府、重要インフラ、世界的に重要な銀行、ビックテック、セキュリティ事業者などが優先とみられていた。大手米銀はテスト対象と報じられる中、日本のメガバンクは不明だった。企業はミトス・レビューを受け大規模なセキュリティ投資が必要となる可能性があり、投資の可否が競争力を二分化するとみられている。
「企業年金、迫る確定拠出>確定給付」をThink!


【竹川美奈子さんの投稿】中小企業にも企業型DCの導入が進むのはよいことだ。一方で懸念しているのは、田村さんのコメントにもある「給与減額型選択制DC」の広がり(最近は給与減額型DBも)。給与を減らしDCの掛け金にすると、社会保険料負担も減ることが多いが、将来受け取る厚生年金は減り、傷病手当金や出産手当金、失業給付にも影響が出る。本当に従業員のためになっているのか、福利厚生より事業主の社会保険料負担軽減が主目的化していないか、実態を把握する必要があるのではないか。日本では、公的年金を補完するために私的年金(DC/DB)を拡充してきたが、それが逆に社会保険の原資を減少させる状況になってしまっては本末転倒ではないだろうか。
「新築戸建てに不具合72カ所」をThink!


【中山登志朗さんの投稿】私を含め多くの人は住宅購入・新築が夢の実現、生活の基盤を整え新たな人生に向かう重要なイベントと考えている筈だ。その希望に満ちた新生活の器に70ヵ所超の瑕疵が発見されたのは大変残念なことだが、これは決して他人事ではない。記事の通り、住宅のトラブルは数多い。背景には人手不足による技能低下・経験不足もあるが、膨大な工程を経て建設される住宅に人為的ミスがないということもまたあり得ないと考えるべきだ。重要なのは竣工後「引渡し前に」専門家であるインスペクターに依頼し第三者として確認してもらうこと。指摘箇所の補修の確認も同行してもらうと良い。新築だけでなくリフォーム&リノベについても有効な手段だ。
「株高に沸く韓国、子どもや軍人に投資熱」をThink!


【深川由起子さんの投稿】韓国の金融リテラシー教育は記事が繰り返す通り、株式市場の変動をめぐる「事件」が跡を絶たないことと、いたちごっこの面があります。それ自体は必要かつ評価されるべきなのですが、進まない労働市場改革で中高年は早すぎる引退環境に、若年層は就業困難にそれぞれ不満を溜める構造があり、勤労環境への失望が一攫千金心理と表裏を成す限り、裾野の広い、健全な投資家育成には時間がかかるでしょう。市場構造の面でも、もともと「財閥」系大企業の存在があまりに大きく、独立中堅企業の伸びが力強さを欠く構造が分散投資のハンディとなる面が指摘できます。地道かつ包括的な努力が必要にみえます。
「カルビー、ポテトチップスなど白黒包装に」をThink!


【加藤雅俊さんの投稿】中東危機に伴うインク不足という苦肉の策だが、見方を変えれば包装のあり方を問い直す契機になるかもしれない。ペットボトルのラベルレス化が消費者に受け入れられたように、白黒パッケージもシンプルさや環境負荷の低さが評価される可能性がある。ブランドイメージはカラーデザインに依存するという前提自体、揺らぐかもしれない。危機対応として始まった変化が業界標準となる展開は珍しくないようだ。今回も一時的な措置にとどまらず、包装の新常態として定着していくかどうか、注目したい。
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