木炭が炎をあげずに燃える秘密はその製法にあり
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先ほども触れたように、木炭は炎をあげない燃焼、木は炎をあげる燃焼です。炎をあげることから、木の燃焼では成分の揮発もしくは分解・気化が起こっていることが分かります。しかし、木炭では炎がおこらないということは、成分の揮発・気化が発生していません。この違いはどこから来るのでしょうか?
この違いは、木炭と木の成分の違い、もっと突き止めると木炭の製造過程における成分の変化が関係しているんです。引き続き、木炭と木の成分および木炭の製造メカニズムについて考えていきましょう。
木炭はほぼ純粋な炭素からできている
木材の成分は、セミロースやヘミセルロース、リグニンといった繊維質が大半、残りは微量の無機質(ミネラル)分が含まれています。繊維質となる物質は全て有機物で、炭素Cや水素H、酸素Oから形成された物質です。
一方で、木炭はその成分のほぼ全てが炭素原子Cであり、純粋な炭素の塊と考えることができます。木炭は薪などの木から作られるということは、木に含まれている余分な成分、特に繊維質を構成する水素や酸素が取り除かれたものが木炭と考えることができますね。これは、木炭の製造過程で炭化反応という反応が起こっているために生じる変化となります。炭化反応とはどのような反応なのでしょうか?
木炭は不完全燃焼により炭化反応を起こした木材のこと
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炭化反応は通常の燃焼とは異なる状況下において発生する反応です。ふつう木や紙に火をつけると、炎や煙をあげ燃え尽きて何も残りません。これは、着火および燃焼で発生する熱により有機物の熱分解が進むこと、空気中という酸素が豊富にある状況であることから、燃焼反応が継続するためです。このように、物質の成分が全て酸化、反応してしまう燃焼のことを完全燃焼といいます。炎をともなう燃焼は基本的に完全燃焼と考えてかまいません。
一方で、木材を木炭、つまり純粋な炭素の塊にするためには、炭素を反応させることなく無駄な水素や酸素などを取り除なければいけません。そのため、木炭を作るときには木材に直接火をつけずに低温で蒸し焼きにする手法をとるんですね。
酸素供給が少ない状況で木材加熱すると、300℃程度で組成分解が始まり二酸化炭素や一酸化炭素のほか、水分や不純物が揮発します。木材の成分の中でも炭素は揮発しにくいため、温度と酸素供給をコントロールして炭素のみが残るようにしたものが木炭なんです。このように、酸化が不十分な燃焼を不完全燃焼といい、有機物から炭素以外の成分が失われる反応を炭化反応といいます。
実は木炭は高機能な素材!
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ここまで、木炭とは木材から余分な成分を取り除いて炭化させたものということを解説してきました。最後に木炭が持っている優秀な性質を、木材と比較していくつか見ていきましょう。
木炭の優れている点の一つは、燃焼時間が長いことです。これは、木炭と木材の燃焼メカニズムの違いから説明できます。燃焼とは酸化反応の一つなので、酸素に多く触れることができるほど反応が激しいです。木材は揮発・気化した成分が燃えているため、効率よく酸素と混合し酸化することができます。一方で木炭は表面の炭素のみが酸化するため、酸素の循環に時間がかかり燃焼が長く続くわけなんです。
また、木炭は炭素以外の成分が抜けてしまうことから、無数の小さな穴があいた多孔質構造をしています。多孔質なため、重量あたりの表面積が非常に大きく1g程度のかけらでも表面積は300~700m2にもなるんです。このような構造から、木炭には不純物をキャッチしやすい性質があり、消臭やろ過機能を目的とした利用も多く見られます。
木炭は炭素以外の成分が取り除かれた木材であり、燃焼が長く続く
物体の燃焼とは酸素との化学反応の一種であり、炭素Cや水素Hから構成される有機物はよく燃えます。
木や紙が炎を上げて燃えるのは、成分が揮発・気化した可燃性気体が燃えているためです。炭素はそれら揮発しやすい成分が取り除かれた炭素の塊なので、炎をともなうことはほぼありません。
木炭は木材を低温かつ酸素が少ない状況で蒸し焼きにすることで、炭素以外の余分な成分を揮発、燃焼させる製法です。このような対象を完全に酸化させない燃焼を不完全燃焼といい、特に炭素以外の成分を取り除く反応を炭化反応といいます。
木炭は表面の炭素しか酸化しないため、燃焼時間が長いです。また、多孔質で表面積が広いため不純物を捕獲しやすく、消臭やろ過などの目的でも使用されます。

