3割の3割による3割のための世界
こちらの記事が大変読まれました。
昭和平成令和の恋愛と結婚を取り巻く環境は…
「恋愛できなくても結婚できた昭和」
「恋愛できても結婚ができなくなった平成」
「恋愛も結婚もできなくなった令和」
と分類できます。しかし、これはオールドメディアが「何かにとりつかれたように」しつこく言い続ける「若者の恋愛離れ・結婚離れ」や「若者の価値観の変化」などではありません。
本当、そうやって「若者の自己責任化」するやめてほしいものです。
元になった調査はこちらですが、
ここにある、昭和の20代は恋愛相手を探すことなど何もしていないが36%もいたひとに着目したい。それなのに昭和は皆婚だったのである。

これもひとえに、職場結婚という社会的結婚お膳立てシステムが機能していたことの証だろう。今の若者からすれば信じられないだろうが、「昭和は結婚することは難しくなかった」し「恋愛力がなかろうと結婚できた」のである。
それが平成になると「恋愛できても結婚ができなくなった平成」に変わる。
これは大勢が恋愛できるようになったわけではない。特に3割の恋愛強者男が何人もの女性と二股三股恋愛をしたがゆえであり、独身で恋愛ばかりして結婚しない恋愛強者男のせいで恋愛中間層の男たちは割を食うことになった。恋愛強者が早めに結婚して片付いてくれないと中間層は相対的に選ばれないからだ。
そうして「恋愛も結婚もできなくなった令和」になるわけだが、記事にも書いた通り、これは若者の経済的な環境と完全にリンクする。
昭和は、当たり前のように若者が20代のうちに年収300万円あれば結婚できていたし、その300万円で一馬力夫婦だとしても子を育てることが可能だった。
それは「今は多少辛くてもいずれ給料もあがるし、上の先輩たちもそうだった」という安心があったからだ。
しかし、平成になると事情が変わる。バブル崩壊からその後に続く就職氷河期と、それと別に進行した税・社保料負担のステルス増額によって、「額面給料あがっても手取りが増えない」という状況になったし、「先輩や上司見てもなんか苦しそう」となって不安がつのった。
で、さらに周辺要因として、平成に某学者が「婚活」なんて言葉を流行らせたことも婚姻減の遠因になっている。これで結婚が条件競争になってしまい、結婚可能年収のインフレが起きた。
年収300万円で結婚できた時代から、あれよあれよとその条件がインフレし、令和は年収540万円が必要になってしまった。むしろ「年収500万円は高望みしない」部類になってしまっている。20-30代未婚でそこに到達できるのはせいぜい3割しかいないにもかかわらず。
当然そんな条件が前提になれば婚姻数は減る。そして実際に、結婚している夫の給料はそれくらい以上じゃないと結婚できなくなった。
そんな経済状況が続いた挙句、令和の若者がどう思うようになったかといえば、「どうせ無理だし、もういいや」という諦観なのである。
恋愛可処分時間が増えた減ったなんてのはどうでもいい話で、本質的に実質可処分所得の問題であり、これが不安となって、結婚相手条件年収だけはあがり、所得増がそこに伴わないから未婚が増える。若者がコスパだタイパだ言うのも経済的不安の表れだろう。
そしてその影響を一番大きく受けてしまうのが中間層なのである。
繰り返し指摘していることだが、大企業勤務などの経済上位層の結婚はたいして減ってない。公務員に至ってはむしろ未婚率は減っているくらいだ。
大企業や公務員の割合は大体3割強であり、残りの7割は中小企業や自営業である。それらの7割の婚姻だけが大幅に減っている。
つまり、経済上位3割にとっては「婚姻減?少子化?どこの話?」なのだ。
東京でいえば、経済上位3割が住むような千代田、港区、中央区の出生率だけは上昇している。一方で、かつて出生率が高く中間層の多かった葛飾、足立、江戸川の出生率はダダ下がり。まさに経済状況と婚姻・出生はリンクしている話なのだ。
しかし、その本質(中間層の若者が結婚できない)をオールドメディアは頑なに報道しない。なぜならば、テレビ局や新聞社などに勤める層は経済上位3割層であり、所詮「自分らとは関係ない」と思っているからかもしれない。
当然、政治家も官僚も上位3割、御用学者もなんちゃら総研などのエセ有識者もテレビにコメンテーターとして出ているのも全部上位3割、SNSのインフルエンサーもそうだろう。
結局、政策立案や情報発信側すべて上位3割層で占められており、上位3割の上位3割による上位3割のためだけの政治や経済政策が実施されているようなもの。
益々上位3割と残り7割との格差は広がるだろう。
穿った見方をすれば、それこそが上位3割の真なる狙いなのかもしれない。自分らのお仲間である上位3割がより裕福に、より恩恵に預かれるようなことだけを推し進め、結婚や子どもは上位3割だけができればいい、と。残りの7割は知らんし、なんならむしろもっと困ってほしい、と。
なぜなら困ってくれれば困るほど、自分ら上位層が「しょーがねえな、助けてやるよ」という施しをする余地が生まれ、それを繰り返せば繰り返すほど、7割の層の心理的奴隷化が完成するからである。言い方かえれば「自分らに反抗できなくする」ということだ。
政治家がやっている給付などはまさにそれでしかない。
民主主義の皮をかぶった封建制のようなもので、「テクノ封建制」という言葉もあるくらいだ。
別に上位3割の足を引きずりおろそうとしたいのではない。しかし、昨今の状況はかなり人為的に中間層の力を弱めるような方向ばかりにいっている気がして危険だと思う。
多少の不平不満はありながらも、人口の多い中間層が前向きに生きる社会でなければ、社会そのものが空洞化し、その先には崩壊しかないだろう。
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長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。

