理想気体の状態方程式とは?意味や使い方を化学系学生ライターがわかりやすく解説
2.理想気体の状態方程式
理想気体については理解できたでしょうか。ここからは、理想気体の状態方程式について解説していきます。
2-1.状態方程式の形
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理想気体の状態方程式は、「pV=nRT」という形で書かれます。気体の状態を表すとは思えないほど整理された単純な式ですね。
pは気体の圧力です。これは気体分子が壁と衝突して加える単位面積当たりの力にあたります。Vは気体の体積で、これは気体の入っている容器の体積と理解してください。nは気体のモル数です。Tは気体の絶対温度ですので注意してください。よく使うのは0℃と25℃で、それぞれ273Kと298Kですのでこれは覚えておくと便利ですね。5つの文字の中で、「気体定数」だけは馴染みがないかもしれませんが、これは8.314…J/(K·mol)という値を持ったただの定数です。単位にこそ注意が必要ですが、それにさえ気をつけていれば問題ありません。
2-2.状態方程式の使い方
状態方程式を計算で使う場合、特に高校化学では主に2つの使い方をします。
1つ目は「不明なパラメータの値を求める」という使い方です。3つの値が分かっていれば、残り1つの値を求めることができますね。2-1でも説明しましたが、このときに気をつけるべきは気体定数の単位です。気体定数は先ほど紹介したもの以外のも「0.0821atm⋅L/(K⋅mol)」や「8.31×103Pa⋅L/(K⋅mol)」などの様々な単位で表されので、圧力や体積などの単位と揃っているかを確認しながら間違いのないように使いましょう。
2つ目は「比例関係を使う」という使い方です。状態方程式の中にはいろいろな比例関係が含まれています。これをうまく使えば、面倒な計算をせずともパラメータを求めることができて、これをまとめたものはボイル・シャルルの法則として有名です。
ボイル・シャルルの法則は下の式を見るとよく分かります。この式は、状態方程式の両辺を温度Tで割ったものです。この法則は分子の数が変わらないことが前提になっていることに注意してください。
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このとき、左辺の値は常に一定になることがわかりますね。例えば、体積の変わらない容器に入れた理想気体の温度を2倍にすれば圧力も2倍です。また、温度を一定に保った理想気体の圧力を2倍にすれば、温度は1/2になることが分かります。明快で分かりやすい法則ですので、しっかり覚えておきましょう。

By Johann Kerseboom – http://www.bbk.ac.uk/boyle/Issue4.html, パブリック・ドメイン, Link
pとTに関する法則だけ名前がついていないのは、ボイル・シャルルの法則は理想気体の状態方程式から導かれたものではないためです。ボイルとシャルルはそれぞれ他の方法でこの法則を導き、これらの法則をヒントにして状態方程式が導かれた、というのが正しい順番になります。あまり問われることのない部分ですが、間違えて覚えてないように注意しましょう。
この法則について、実はもう1つ誤解される点があります。すぐ上の文中にも書いてあるように「ボイル・シャルルの法則」という言い回しがよく使われ、みなさんもこの言い回しを使ったことがあるかもしれません。しかし、実際には「ボイル・シャルルの法則」という法則は存在しません。この言い回しはおそらく、ボイルの法則とシャルルの法則をまとめて呼ぶために使われたものであったものが、いつの間にか「ボイル・シャルルの法則」があるかのように広まってしまったものです。ボイルの法則とシャルルの法則は、特に状態方程式を学んでしまうと似たような法則である気がしますが、歴史的にも全く別物になります。気になる方は歴史背景もぜひ調べてみてください。
状態方程式には多くの情報がある!
状態方程式の意味は理解できたでしょうか。
今回紹介したのは状態方程式の一部に過ぎず、他にもこの方程式からいろいろな法則が導出できますし、この状態方程式を拡張した様々な状態方程式も存在します。
気になる方はぜひ調べてみてくださいね。