生態系について学習する時によく登場する「環境形成作用」。みんなは環境形成作用とはどういう作用なのかを説明できるでしょうか。また、「作用」とどういった違いがあるのか分かるでしょうか。そこで、今回は生物に詳しいライターききと一緒に解説していきます。

ライター/きき

大学生の頃は農学部に所属し植物のことを勉強した。現在は大学院に進学し植物のことを研究中。生物や植物の面白さを伝えられるライターを目指している。

環境形成作用とは?

image by iStockphoto

「環境形成作用」もしくは「反作用」とは、生物的環境から非生物的環境への働きかけのことです。これは、簡単に言い換えると「生物が生活する上で、自分たちを取り巻く環境に与える影響のこと」ということになります。この環境形成作用は、私たち人間を含む生物と環境を合わせた生態系において重要な働きをするのです。

それでは、この環境形成作用は具体的にどういうことがあるのか、この他の作用はどういったものがあるのかについて学習していきましょう。

生物的環境と非生物的環境の関係とは?

生物的環境と非生物的環境の関係とは?

image by Study-Z編集部

生態系は生物的環境と非生物的環境によって構成されているのでしたね。そもそも、生物的環境とは、私たち人間はもちろん、地球上に存在する全ての動植物のことです。そして非生物的環境とは、土壌や大気、光、温度、水などの生物ではないものを言います。この生物的環境と非生物的環境は、お互いに影響を与え合うことで、生態系を保っているのです。そんな生物と非生物的環境はどのような影響を及ぼし合っているのかを上記の図を活用しながら学んでいきましょう。

1. 生物から非生物的環境への影響

生物から非生物的環境への働きかけのことを「環境形成作用」もしくは「反作用」と言います。例えば、生物が呼吸で吸収する酸素と放出する二酸化炭素によって、大気中の成分に変化を与えることが考えられますよね。また、落ち葉や生物の排泄物や死骸が土壌中に生息する微生物によって分解され、それによって土壌中の養分が豊富になるのです。このほかにも、植物が葉を開くことで、光を遮ることも環境形成作用の1つになります。このように生物は生きていると、常に「環境形成作用」を非生物的環境に与えていることが分かりますね。

2. 非生物的環境から生物への影響

非生物的環境から生物にも影響を与えるのですが、これを「作用」と呼びます。例えば、非生物的環境である光は植物の成長や植生に影響を与えますよね。ほかにも、非生物的環境である雨(水)も植物や動物の成長や生存を左右させることが考えられます。このように、非生物的環境から生物への働きかけである「作用」も生態系を維持する1つの要素だと言えますね。

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3. 生物同士の影響

これまで生物とそれらを取り巻く非生物的環境の影響について解説しました。実は、同種や異株の生物同士もお互い影響し合っていることで生態系が保たれているのです。これを「相互作用」と呼びます。例えば、食べられる側である「被食」と食べる側の「捕食」の関係は相互作用の1つです。また、マメ科植物と根粒菌の「共生」という関係や、ツクツクボウシとそれに「寄生」するツクツクボウシタケも生物間の相互作用であると言えます。このように、「被食・捕食」や「共生」、「寄生」といった様々な形がありますが、どれも生物同士が影響を与える相互作用なのです。

人間による環境形成作用

環境形成作用とは、生物から非生物的環境への働きかけであることを学びましたね。私たち人間も生物ですから、もちろん非生物的環境に大きな影響を及ぼしていると言えるのです。人間の場合、急速な工業化や技術の発展で生活が豊かになってきたのですが、自然環境には大きな被害を与えてしまっています。これも環境形成作用の1つなのです。ここでは、人間が非生物的環境に及ぼした悪影響をいくつかご紹介します。これらも全て、環境形成作用の1種なのでしっかりと覚えておきましょう。

1. オゾンホール

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オゾンは約10km~50km上空の成層圏に約90%も存在しており、このオゾンが大量に存在する層のことを「オゾン層」と呼びます。このオゾン層は太陽からの有害な紫外線を吸収することで、地球上の生物や環境を守るという重要な役割を果たしているのです。

しかし、1970年代半ばに、人工的に作り出されたクロロフルオロカーボン類(フロン)がオゾン層を破壊することが指摘されました。フロンは冷蔵庫やエアコン、スプレーなどで使われており、このフロンが大気中に大量に放出されたことでオゾン層が破壊されてしまったのです。特に南極上空のオゾン量が極端に少なくなる現象を「オゾンホール」と呼ばれ、その名の通り、オゾン層にぽっかりと穴が開いてしまったように、オゾン量が少なくなっています。

フロンによって私たち人間の生活は豊かになりましたが、非生物的環境であるオゾン層が破壊され、地球上の生態系を危険にさらすことになってしまいました。このフロンによるオゾン層の破壊も環境形成作用の1つですが、決して良い影響であるとは言えませんよね。

2. 地球温暖化

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18世紀後半に起こった産業革命によって、人間の活動の中心が農業から工業へと転換しました。人間活動によって化石燃料が大量に使用され、大気中には二酸化炭素やメタン、フロンガスなどの温室効果ガスの濃度が一気に増加してしまったのです。この温室効果ガスが大気中の気温を高めることで、地球温暖化が進行したと言われています。この人間活動によって、非生物的環境である大気中の成分を変え、気温を上げることは環境形成作用であると言えますが、自然環境に悪影響を及ぼしたことは間違いありません。

現代では、限りあるエネルギーを安定的に供給することと、環境保全をするために、世界では水力や風力、太陽光といった再生可能エネルギーの利用が広がっています。

3. 森林減少

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人間による「過剰な森林伐採」や人間活動によって生じた「酸性雨」も森林減少の進行を後押ししてしまっています。森林が減少することで、他の生物の生活環境を奪ってしまうだけでなく、土壌の流出や砂漠化、二酸化炭素の増加といった非生物的環境に悪影響を及ぼしてしまうのです。これも、人間による環境形成作用であると言えますね。

\次のページで「生物も環境もみんな影響し合っている!」を解説!/

生物も環境もみんな影響し合っている!

生態系を維持するためには、「作用」、「環境形成作用」、「相互作用」の3つの作用が必要でしたね。特に今回のテーマである環境形成作用は生物が光や土壌、水といった非生物的環境への働きかけのことを指すのでした。私たちはあまり実感できませんが、生物も環境も全て影響をし合っているのです。人間も環境形成作用を非生物的環境に及ぼしていますが、その中には環境問題になってしまうほどの行き過ぎたものもあることを学びましたね。私たちの行動が生態系へ大きな影響を与えることを忘れないようにしましょう。

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理科環境と生物の反応生き物・植物生態系生物

環境形成作用って何?作用との関係や具体例について現役理系学生がわかりやすく解説

生態系について学習する時によく登場する「環境形成作用」。みんなは環境形成作用とはどういう作用なのかを説明できるでしょうか。また、「作用」とどういった違いがあるのか分かるでしょうか。そこで、今回は生物に詳しいライターききと一緒に解説していきます。

ライター/きき

大学生の頃は農学部に所属し植物のことを勉強した。現在は大学院に進学し植物のことを研究中。生物や植物の面白さを伝えられるライターを目指している。

環境形成作用とは?

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「環境形成作用」もしくは「反作用」とは、生物的環境から非生物的環境への働きかけのことです。これは、簡単に言い換えると「生物が生活する上で、自分たちを取り巻く環境に与える影響のこと」ということになります。この環境形成作用は、私たち人間を含む生物と環境を合わせた生態系において重要な働きをするのです。

それでは、この環境形成作用は具体的にどういうことがあるのか、この他の作用はどういったものがあるのかについて学習していきましょう。

生物的環境と非生物的環境の関係とは?

生物的環境と非生物的環境の関係とは?

image by Study-Z編集部

生態系は生物的環境と非生物的環境によって構成されているのでしたね。そもそも、生物的環境とは、私たち人間はもちろん、地球上に存在する全ての動植物のことです。そして非生物的環境とは、土壌や大気、光、温度、水などの生物ではないものを言います。この生物的環境と非生物的環境は、お互いに影響を与え合うことで、生態系を保っているのです。そんな生物と非生物的環境はどのような影響を及ぼし合っているのかを上記の図を活用しながら学んでいきましょう。

1. 生物から非生物的環境への影響

生物から非生物的環境への働きかけのことを「環境形成作用」もしくは「反作用」と言います。例えば、生物が呼吸で吸収する酸素と放出する二酸化炭素によって、大気中の成分に変化を与えることが考えられますよね。また、落ち葉や生物の排泄物や死骸が土壌中に生息する微生物によって分解され、それによって土壌中の養分が豊富になるのです。このほかにも、植物が葉を開くことで、光を遮ることも環境形成作用の1つになります。このように生物は生きていると、常に「環境形成作用」を非生物的環境に与えていることが分かりますね。

2. 非生物的環境から生物への影響

非生物的環境から生物にも影響を与えるのですが、これを「作用」と呼びます。例えば、非生物的環境である光は植物の成長や植生に影響を与えますよね。ほかにも、非生物的環境である雨(水)も植物や動物の成長や生存を左右させることが考えられます。このように、非生物的環境から生物への働きかけである「作用」も生態系を維持する1つの要素だと言えますね。

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