20世紀初頭までの窒素肥料
19世紀のヨーロッパでは、南米のチリで産出される硝石などの窒素化合物を肥料として用いていました。しかしながら、18世紀後半から始まった産業革命によって生活水準が著しく向上した結果、人口は急激に増加していきました。
硝石は天然のものであるため、限りある資源です。いずれは掘り尽くされ、肥料不足による農業生産性が低下し、深刻な食糧危機が懸念されるようになりました。
ハーバー・ボッシュ法の誕生
化学者たちは、空気中に大量に存在する窒素を肥料や火薬として使用できる化合物として固定するための方法を模索しました。
ドイツ人のフリッツ・ハーバーは反応条件などを変え、何度も実験を繰り返した結果、500℃、200気圧という高温・高圧の条件下でオスミウムを触媒として用いることで、窒素と水素からアンモニアを合成することに成功しました。
ハーバーの開発した合成法にはいくつかの欠点がありましたが、研究仲間であったカール・ボッシュらが欠点を克服し、1913年にはアンモニアの工業化が実現したのです。これがハーバー・ボッシュ法の誕生の歴史で、化学的にも重要な合成法としても有名ですね。
窒素肥料の種類
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窒素肥料にはいくつかの種類があり、それぞれの肥料の特徴、また栽培環境や植物の性質に合わせて使い分けられています。
どのような種類があるのかを見ていきましょう。
1.硫酸アンモニウム
「硫安(りゅうあん)」とも呼ばれている、窒素のみを含む単肥です。施肥すると1ヶ月は効果が続くため、初心者でも扱いやすくなっています。水に溶けやすいため、土壌になじみやすく、作物への吸収率も良好です。
ただし、単肥のため、用途に合わせてリンやカリウムを含有する肥料との併用が必要となります。
2.塩酸アンモニウム
「塩安(えんあん)」とも呼ばれる肥料で、アンモニア態窒素を25%含有している複合肥料です。水に溶けやすく、吸湿性があるのが特徴で、吸収されたあとは副成分である塩素が残ります。塩素は繊維作物の生育に欠かせない成分です。
また、硫化水素の発生が少ないことから、根腐れを防ぐ効果も持っています。
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