大学院で植物の研究していた、生物に詳しいライターAnnaと一緒に解説していきます。
ライター/Anna
大学で生物学について幅広く学び、大学院では植物の研究をしていた。生物学の楽しさをたくさんの人に広められるよう日々勉強中。
種子はどうやってできるのか?
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種子はみなさんもご存知の通り植物の種のことです。生物学的に言えば、種子植物の胚珠(はいしゅ)が受精後に成熟し休眠状態になったものを種子と呼んでいます。また、種子は被子植物や裸子植物の繁殖器官と言われることもあります。種子が作られていく過程を見ながら一つずつ学習していきましょう。
種子をつくる植物とは?
まず、植物には種子を作る植物と作らない植物があります。種子を作る植物は「種子植物」と呼ばれ、被子植物や裸子植物などは種子を作って子孫を残します。一方種子を作らない植物にはシダ植物、コケ植物などがあり、これらの植物は種子ではなく「胞子」によって仲間を増やします。
植物は元々シダ植物やコケ植物などの胞子で仲間を増やす植物しかいませんでしたが、進化の過程で種子で子孫を残す種子植物が誕生しました。なぜ種子で子孫を残すことにしたのでしょうか?
それは種子は保存ができ、栄養を蓄積することができるためです。種子は成長に適した環境(水、気温、酸素、二酸化炭素、光など)だと発芽しますが、それ以外の環境では発芽せず種のまま休眠状態でいます。ちなみに休眠状態の種子や花芽がある条件によって活動状態になることを「休眠打破(きゅうみんだは)」と言うんですよ。
種子形成は受粉から始まる
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それでは実際に種子ができる過程を詳しく見ていきましょう。先ほど「胚珠が受精後に成熟し休眠状態になったものが種子である」と説明しましたね。植物が受精するにはまず受粉が必要となるため、受粉が種子形成のスタートとなります。
植物では花粉(精細胞)が柱頭につくことを受粉と呼びますよね。受粉すると花粉管が胚珠に向かって伸び、その管の中を精細胞が通っていきます。胚珠にたどり着いた精細胞は胚珠内の卵細胞とくっつき「受精」が起こるのです。精細胞と卵細胞がくっついたものは受精卵と呼ばれ、受精卵は胚珠内で体細胞分裂を繰り返して胚球(はいきゅう)と胚柄(はいへい)になります。そして胚珠は受精が終わって成熟すると胚や胚乳を包む種子となり、胚珠の外側にある珠皮は、種子を包む「種皮(しゅひ)」という硬い皮で種子を守るのです。
種子の構造
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胚珠の中には胚のうがあり、卵細胞、中央細胞、助細胞、反足細胞からできています。胚のうの中では先ほど説明した精細胞と卵細胞が合体して受精卵になるとともに、精細胞と中央細胞が合体して胚乳細胞となるのです。
受精卵は胚球と胚柄になりますが、このうち胚球は分裂を経て胚へとなり、胚は子葉(しよう)、幼芽(ようが)、胚軸(はいじく)、幼根(ようこん)から成ります。子葉は最終的に退化してしまいますが幼芽は葉に、胚軸は茎に、幼根は根になる部分です。一方胚柄は退化して植物体にはなりませんが、胚球を胚のうの中央部へ押し上げることで乾燥など環境による被害を受けないよう守ってくれます。
一方、胚乳細胞も分裂を経て発芽に必要な栄養分を蓄える胚乳となるのです。私たちが普段食べている白米は、籾殻(もみがら)や胚芽(はいが)、糠層(ぬかそう)を取り除いて胚乳だけが残った状態のお米なんですよ。
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