物質の混合割合はどんな風に表されているか。8割蕎麦はそば粉80%とその他の粉(小麦粉など)20%を混ぜる。ビールには5%のアルコールが含まれる。どちらも存在割合を指す表現ですが基準となっているが違いは何でしょうか。そう、基準となるパラメータ(単位)が違いますね。前者は重量を、後者は体積を基準にした割合を指し、それぞれの場面に応じ都合のいい表し方を選らぶ。それぞれの使い分けについて、日常生活で出てきそうな例から理系ライターのR175と解説していこう。

ライター/R175

関西のとある国立大の理系出身。学生時代は物理が得意で理科の教員免許持ち。教科書には出てこない日常の身近な現象に結びつけて分かりやすい解説を強みとする。

1.モノの割合を表す基準

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体積百分率も重量百分率も混合物の「割合(パーセント)」を表している点は共通で、割合の基準としているパラメータが異なるのもの。文字通り前者は「体積」を基準に、後者は「重量」を基準にしています。なぜ、これらの使い分けが必要になってくるのかについて最初に触れておきましょう。

その説明に入る前に以下の概念について解説したいと思います。
・空隙率
・真密度
・かさ密度
「化学」というより「紛体工学」等で出てくる用語ですが、概念としては非常にシンプルです。

空隙率

空隙率

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空隙率とは、物体と物体の「隙間」がある状態で存在する時の隙間部分の体積比率のことです。お米を容量180ccカップですくったとしましょう。180cc容器内は全てお米が占有しているかと言うとそうではありませんね。液体や気体などの連続体でない限り必ず隙間が出来ます。この隙間の割合が空隙率です。

 

例えば、一辺が4cmの立方体の容器に半径1cmの球を8個入れた場合の空隙率を計算してみましょう。容器内の体積は4×4×4cm3から64cm3。一方、半径1cmの球体の体積は4×π/3=4.19cm3で、これが8個あるので球の体積合計は33.52cm3。よって隙間部分の体積は64-33.52=30.48cm3から、空隙率は30.48÷64で47.6%です。

 

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真密度

真密度とは隙間の体積を除いて計算した正味の密度のこと。一般的にイメージする密度はこちらだも思います。例えば、上記の例で球1個が4gだったとしましょう。球体の真密度は球体の質量÷球体の体積であり、計算すると4g÷4.19cm3で0.95g/cm3です。

 

かさ密度

一方かさ密度とは、隙間の体積も含めて計算した密度のこと。上述の例なら、8個分の質量が4×8=32gで、隙間も含めた体積は容器の体積のことなので4×4×4=64cm3。よってかさ密度は32g/64cm3で0.5[g/cm3]となります。

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2.体積百分率

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字の通り、体積基準にした割合のことです。例えば、醤油大さじ1(15cc)、みりん大さじ2(30cc)、酢小さじ1(5cc)を混ぜた(合計50cc)時、醤油の体積百分率は30%、みりんは60%、酢は10%となります。体積で規定しているのでは、見た目で量の見当がつきますね。また、重さを測るためには機器が必要ですが体積なら容器が有れば測れてしまいます。料理中でも測りやすいですね。ただし、容器に入れた時の量(かさ密度)がある程度定まっていないと適用しづらいです。

みりんや醤油なら体積で測ってもほとんど誤差は出ませんが、例えば砂糖や小麦粉は大さじ容器などを用いて体積で測ると誤差が出やすいですね。容器に振動を与えると、体積が減ってしまいます。かさ密度が変わってしまうわけですね。そんな時に重量百分率の出番です。

3.重量百分率


字の通り、重量で規定して割合を示すものです。固体の存在割合を表すのによく使われます。例えば、小麦粉70g、砂糖20g、バター10gを混ぜた生地ならそれぞれ重量百分率は70%、20%、10%。小麦粉など粉体は保管状態によってかさ密度がばらつきやすいですが、重量百分率で規定すればその影響を受けずに済みます。レシピに粉物があるときは、重量で書いてあることも多いのはそのためです。ただし、料理中に電子天秤を出してくる手間が増えますが。

4.体積百分率と重量百分率の区別が必要な例

ここからは、体積百分率と重量百分率の区別を意識するであろう例を取り上げていきたいと思います。

飲酒後アルコールはいつ分解されるのか?

飲酒後アルコールはいつ分解されるのか?

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ついついお酒を飲み過ぎたが、明日はドライブ。飲酒運転にはならないだろうか?体質によってアルコール分解速度はまちまちで、いつアルコールが抜けるか一概には言えません。しかし、明らかに身体中にアルコールが残っていそうなのか、おそらくほぼ全て分解されているのか、分解されているかどうか怪しいレベルなのか、ざっくりとした見当をつけたい時があることでしょう。

アルコール分解速度で検索するとよく見られるのが下記の数値ではないでしょうか。

 

体重(kg)×0.1≒1時間に分解出来るアルコール重量(g)

 

ここでポイントになるのが、アルコールが「重量」で書かれている点。しかしお酒は液体。どれくらい飲んだかと言うと体積で答えが出てくるでしょう。例えばビール中ジョッキ2杯(1000ml)と日本酒1合(180ml)飲んだとします。アルコール度数を使って摂取したアルコール量を求めることできますね。アルコール度数は一般的に体積百分率で表示され、ここではビールが5%日本酒が15%だっとします。摂取したアルコール量はビールから50ml、日本酒から27mlで合計77mlです。

摂取したアルコール量は体積であるのに対し、アルコール分解速度の式で出てきているアルコール量は重量ですね。よって分解時間を求めるためにはアルコール77mlを重量に変換する必要があるのです。アルコール(エタノール)の比重は約0.8で密度の変動はほぼありませんから、77ml×0.8g/mlで重量は62g。体重60kgの人なら1時間に分解出来るアルコール重量目安は6gなので、完全に分解するには約10時間かかる計算です。

モル分率(おまけ)

モル分率(おまけ)

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物質の割合を表すのに「モル分率」という表し方もあります。これは物質量を基準にしたもの。物質量とはざっくり言うと、分子の個数を表す数値です。物質量は[mol(モル)]という単位で、1molあたりの分子の数が規定されています。それがアボガドロ定数であり、およそ6×10^23個。あまりに大きく扱いづらいためこれだけの分子を1単位として物質量としているわけです。

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砂糖と塩を同じ「重量」で混ぜるとしょっぱい理由

水を溶媒にし、塩と砂糖を同じ「重量」で混ぜた溶液を作ると塩の味が勝ってしまう。その理由は同じ重量の塩と砂糖の「物質量」が異なるためです。

塩はNaClで分子量は58.5、砂糖は342であり、分子量とは1mol当たり(6×10^24個分の)質量[g]のこと。塩の分子6×10^23個の質量は58.5gであるのに対し、砂糖は342g。つまり、分子1個当りの質量が異なり、砂糖の方が重いです。分子1個が軽い塩と、重い砂糖を同じ重量だけ混ぜると、塩の方が分子の個数が多くなりますね。味の強さはおおよそ分子の個数に比例すると考えると、同じ重量だけ塩と砂糖と混ぜたら塩の味の方が強く出現することがうなずけます。

存在割合の表し方

混合物中のそれぞれの物質の存在割合の表し方として、体積百分率、重量百分率を中心に、主に固体と液体を想定して解説しました。前者は、体積を基準としているため、体積当たりの重量(かさ密度)が一定ではない粉体などでは正しく分量が測れない可能性がありますが、重量百分率を使えば問題ありません。

そして、ずばり「分子の個数」で比べているのが、おまけ部分で触れたモル百分率です。

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化学物質の状態・構成・変化理科

「体積百分率」と「重量百分率」の使い分けとは?日常生活での例を使って理系ライターがわかりやすく解説!

物質の混合割合はどんな風に表されているか。8割蕎麦はそば粉80%とその他の粉(小麦粉など)20%を混ぜる。ビールには5%のアルコールが含まれる。どちらも存在割合を指す表現ですが基準となっているが違いは何でしょうか。そう、基準となるパラメータ(単位)が違いますね。前者は重量を、後者は体積を基準にした割合を指し、それぞれの場面に応じ都合のいい表し方を選らぶ。それぞれの使い分けについて、日常生活で出てきそうな例から理系ライターのR175と解説していこう。

ライター/R175

関西のとある国立大の理系出身。学生時代は物理が得意で理科の教員免許持ち。教科書には出てこない日常の身近な現象に結びつけて分かりやすい解説を強みとする。

1.モノの割合を表す基準

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体積百分率も重量百分率も混合物の「割合(パーセント)」を表している点は共通で、割合の基準としているパラメータが異なるのもの。文字通り前者は「体積」を基準に、後者は「重量」を基準にしています。なぜ、これらの使い分けが必要になってくるのかについて最初に触れておきましょう。

その説明に入る前に以下の概念について解説したいと思います。
・空隙率
・真密度
・かさ密度
「化学」というより「紛体工学」等で出てくる用語ですが、概念としては非常にシンプルです。

空隙率

空隙率

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空隙率とは、物体と物体の「隙間」がある状態で存在する時の隙間部分の体積比率のことです。お米を容量180ccカップですくったとしましょう。180cc容器内は全てお米が占有しているかと言うとそうではありませんね。液体や気体などの連続体でない限り必ず隙間が出来ます。この隙間の割合が空隙率です。

 

例えば、一辺が4cmの立方体の容器に半径1cmの球を8個入れた場合の空隙率を計算してみましょう。容器内の体積は4×4×4cm3から64cm3。一方、半径1cmの球体の体積は4×π/3=4.19cm3で、これが8個あるので球の体積合計は33.52cm3。よって隙間部分の体積は64-33.52=30.48cm3から、空隙率は30.48÷64で47.6%です。

 

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真密度

真密度とは隙間の体積を除いて計算した正味の密度のこと。一般的にイメージする密度はこちらだも思います。例えば、上記の例で球1個が4gだったとしましょう。球体の真密度は球体の質量÷球体の体積であり、計算すると4g÷4.19cm3で0.95g/cm3です。

 

かさ密度

一方かさ密度とは、隙間の体積も含めて計算した密度のこと。上述の例なら、8個分の質量が4×8=32gで、隙間も含めた体積は容器の体積のことなので4×4×4=64cm3。よってかさ密度は32g/64cm3で0.5[g/cm3]となります。

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