今回のテーマ「赤身」と「白身」について見ていこう。
寿司屋で食べる魚には、赤っぽい色のものと白っぽい色のものがあることに気付いている人もいるでしょう。
今回は、そんな赤身と白身の違いについて、筋肉の特徴に言及しながら、東大生物学科卒で生物に詳しいライターAEON2と一緒に解説していきます。

ライター/AEON2

東京大学理学部生物学科出身で、在学中は塾講師として高校受験生物の指導をすること多数。また高校時代には、国際生物学オリンピックの国内選考で銅メダルを受賞した経験あり。趣味はボディビルディング。

赤身魚と白身魚

image by iStockphoto

今回は赤身白身の特徴や違いについての解説です。

赤身魚の例としては、マグロ、カツオ、アジ、サバ、イワシなどが挙げられるのに対し、白身魚の例としては、ヒラメ、カレイ、フグ、タイ、サケ(サーモン)などが挙げられます。

それぞれの魚の生活様式や特徴をイメージしながら見ていくと、より理解が深まるでしょう。

赤身魚とは?

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まずは赤身魚について解説していきます。

この章を読むことで赤身であることの利点や赤身の原因等が理解できるでしょう。

赤身の筋肉の特徴

我々は通常、魚の筋肉の部分を身と呼んで食べていますが、この筋肉の色が赤っぽい魚のことを赤身魚と総称しています。

赤身魚の例としてはマグロやカツオが一般的に挙げられますが、これらの魚の特徴は、長距離を長い時間、常に泳ぎ続けている回遊魚であるという点です。これらの魚が回遊をする理由は、餌や水温と関係しており、基本的には夏は高緯度地方へ移動し、冬には低緯度地方へ移動する傾向があります。

赤身の筋肉はこの長距離・長時間の運動の鍵となっているというわけです。

ヘモグロビンとミオグロビンとは?

赤身の解説をする上で重要となってくるのが、ヘモグロビンミオグロビンいう2種類の色素タンパク質で、これらのタンパク質はともに、酸素の体内での利用に関わっています。

まずはヘモグロビンですが、これは高校で生物を履修した方はご存知の単語ではないでしょうか。ヘモグロビンの役割は、肺において酸素を吸収し、抹消の組織で酸素を放出することです。肺で酸素をたっぷりと吸収したヘモグロビンは、血液の流れに乗って全身に運ばれ、その後、毛細血管を介して抹消の組織へと運ばれ、酸素を放出します。

次にミオグロビンですが、これは筋肉中に豊富に蓄積されており、その機能は、ヘモグロビンによって運ばれてきた酸素を必要な時まで蓄えておくことです。

\次のページで「赤身とヘモグロビン・ミオグロビンの関係は?」を解説!/

赤身とヘモグロビン・ミオグロビンの関係は?

赤身の魚は一般的に、白身の魚と比べた場合に、多くのヘモグロビンとミオグロビンを体内に含有しています。ヘモグロビンとミオグロビンはともに鉄イオンを含む構造をしており、そのためにマグロやカツオの筋肉の色は赤く見えるというわけです。

長距離の運動を長く続けるためには、有酸素的な代謝によってたくさんのエネルギーを用意する必要がありますが、そのためには大量の酸素が必要となります。その点において、ヘモグロビンやミオグロビンを大量に有していることがプラスに働いていくるというわけです。ヘモグロビンが多ければ、呼吸によって取り入れた酸素をよりたくさん抹消へと運ぶことができますし、ミオグロビンが多ければ、ヘモグロビンによって運ばれてきた酸素を効率よく筋肉中に留めておくことができます。

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赤身魚の筋肉が赤いのは、体内にたくさんのヘモグロビンミオグロビンが存在するためでした。

ヘモグロビンとミオグロビンが大量の酸素を利用できるようにすることで、赤身魚の長距離かつ長時間の移動を可能としています。

白身魚とは?

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続いては白身魚について見ていきます。

赤身魚の筋肉は赤色でしたが、白身魚の筋肉はどうなっているのでしょうか。

白身の筋肉の特徴

白身魚の筋肉は、その名の通り、やや透明がかった白色もしくは黄色がかった白色をしています。

この白色の筋肉の特徴は、持久的な機能はないものの、瞬間的に強い力を発揮できるという点です。白身魚は赤身魚であるマグロやカツオのように常に泳ぎ続けているわけでなはく、捕食や外敵から逃げるときに勢いよく泳ぐという特徴があるのですね。

白身魚の例としては、ヒラメ、カレイ、フグ、タイ、サケ(サーモン)などが挙げられますが、これらの魚はどれも、マグロやカツオのような赤身魚が沖合を回遊していたのに対し、沿岸や深海に生息しています。

酸素を利用しない力発揮

赤身魚の体は、酸素を効率よく利用してエネルギーの生産と供給を行っていましたが、白身魚の筋肉にはミオグロビンが乏しいため、その運動時には無酸素性のエネルギー生産が行われます。

筋肉が活動するのにはATPという物質が必要ですが、筋肉中に存在するATPだけでは2秒から3秒の運動しかできません。獲物を捕食する場合にかかる時間はこれより短いので問題ないですが、外敵から逃げるためにある程度の距離を泳ぐ場合はこのATPだけでは不十分です。そこで、次に利用されるのがクレアチンリン酸系と呼ばれるエネルギー供給系で、これによって10秒程度の間、運動を継続することが可能になります。

筋肉中のATPを利用する場合も、クレアチンリン酸を利用する場合も、ともに酸素は筋肉中では消費されません。それゆえに、白身魚の持つ白筋は、無酸素性の力発揮をする筋肉だと言えるわけです。

\次のページで「白身魚の変わり者」を解説!/

白身魚の変わり者

意外と思われるかもしれませんが、サケサーモン)は白身魚に分類されます。サケの筋肉はオレンジ色なので、赤身魚と呼ぶのはやや抵抗がありますが、かといって、ヒラメやタイと比べると明らかに筋肉に色が着いていますね。

実は、サケの筋肉(身)がオレンジ色なのはアスタキサンチンというオレンジ色の色素が、白身の本体に蓄積しているためなのです。サケは、海で生息している間は、一般的には甲殻類のプランクトンを食べていますが、このプランクトンがアスタキサンチンを豊富に含んでおり、それが時間をかけて筋肉に蓄積されることであの色が着いていきます。

皆さんが食べるいくらはオレンジ色だと思いますが、これは、産卵を控えた雌の筋肉から卵へと色素が移ることで成り立っているいうわけです。その証拠として、産卵を終えた雌のサケの筋肉は真っ白になってしまいます。

image by Study-Z編集部

赤身魚の場合と異なり、白身魚はヘモグロビンミオグロビンを大量に持っておらず、それゆえに筋肉の色が白っぽくなっていました。

白身魚の筋肉のことを白筋と呼びますが、この筋肉は無酸素的にエネルギーを入手し、瞬間的に強い力発揮をするという特徴があります。

赤身か白身かは色素の量の違い

今回は、魚の「赤身」と「白身」について解説しました。ヘモグロビンやミオグロビンの含有量が生物によって異なり、それにより生物の運動様式が変わってくる点は面白いですね。

この記事では省略しましたが、ヒトの筋肉にも赤い筋肉と白い筋肉があり、一般的には3種類に分類されています。興味のある方はぜひ調べて見てください。

イラスト使用元:いらすとや

" /> 5分で分かる「赤身」と「白身」の違いとは?それぞれの特徴について東大生物学科卒が分かりやすくわかりやすく解説 – Study-Z
タンパク質と生物体の機能理科生物

5分で分かる「赤身」と「白身」の違いとは?それぞれの特徴について東大生物学科卒が分かりやすくわかりやすく解説

今回のテーマ「赤身」と「白身」について見ていこう。
寿司屋で食べる魚には、赤っぽい色のものと白っぽい色のものがあることに気付いている人もいるでしょう。
今回は、そんな赤身と白身の違いについて、筋肉の特徴に言及しながら、東大生物学科卒で生物に詳しいライターAEON2と一緒に解説していきます。

ライター/AEON2

東京大学理学部生物学科出身で、在学中は塾講師として高校受験生物の指導をすること多数。また高校時代には、国際生物学オリンピックの国内選考で銅メダルを受賞した経験あり。趣味はボディビルディング。

赤身魚と白身魚

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今回は赤身白身の特徴や違いについての解説です。

赤身魚の例としては、マグロ、カツオ、アジ、サバ、イワシなどが挙げられるのに対し、白身魚の例としては、ヒラメ、カレイ、フグ、タイ、サケ(サーモン)などが挙げられます。

それぞれの魚の生活様式や特徴をイメージしながら見ていくと、より理解が深まるでしょう。

赤身魚とは?

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まずは赤身魚について解説していきます。

この章を読むことで赤身であることの利点や赤身の原因等が理解できるでしょう。

赤身の筋肉の特徴

我々は通常、魚の筋肉の部分を身と呼んで食べていますが、この筋肉の色が赤っぽい魚のことを赤身魚と総称しています。

赤身魚の例としてはマグロやカツオが一般的に挙げられますが、これらの魚の特徴は、長距離を長い時間、常に泳ぎ続けている回遊魚であるという点です。これらの魚が回遊をする理由は、餌や水温と関係しており、基本的には夏は高緯度地方へ移動し、冬には低緯度地方へ移動する傾向があります。

赤身の筋肉はこの長距離・長時間の運動の鍵となっているというわけです。

ヘモグロビンとミオグロビンとは?

赤身の解説をする上で重要となってくるのが、ヘモグロビンミオグロビンいう2種類の色素タンパク質で、これらのタンパク質はともに、酸素の体内での利用に関わっています。

まずはヘモグロビンですが、これは高校で生物を履修した方はご存知の単語ではないでしょうか。ヘモグロビンの役割は、肺において酸素を吸収し、抹消の組織で酸素を放出することです。肺で酸素をたっぷりと吸収したヘモグロビンは、血液の流れに乗って全身に運ばれ、その後、毛細血管を介して抹消の組織へと運ばれ、酸素を放出します。

次にミオグロビンですが、これは筋肉中に豊富に蓄積されており、その機能は、ヘモグロビンによって運ばれてきた酸素を必要な時まで蓄えておくことです。

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