今回のテーマ「液胞」について見ていこう。
高校生物で学習したことを覚えている人もいるかもしれないが、その詳しい働きまでは思い出せないのではないでしょうか。
今回は、高校生物で学ぶ液胞の働きに加え、それ以外の機能についても、東大生物学科卒で生物に詳しいライターAEON2と一緒に解説していきます。

ライター/AEON2

東京大学理学部生物学科出身で、在学中は塾講師として高校受験生物の指導をすること多数。また高校時代には、国際生物学オリンピックの国内選考で銅メダルを受賞した経験あり。趣味はボディビルディング。

液胞とは?

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液胞は、細胞小器官と呼ばれる細胞内の構造の1種です。液胞の解説に入る前に、まずは、細胞小器官とはなんなのかについて簡単に見ていきましょう。

細胞小器官とは?

生物の細胞は、複数の細胞小器官オルガネラとも言います)をその中に持っており、それらが協調して機能することで、細胞単体から、ひいては生物全体の生命を維持しています。細胞小器官には、核やゴルジ体、ミトコンドリア、葉緑体など、いろいろなものが知られていますが、その中に今回解説する液胞も含まれるというわけです。

植物細胞の液胞と動物細胞の液胞について

液胞は植物細胞において特によく発達している細胞小器官で、その働きは多岐に渡ります。今回は、特にこの植物細胞の液胞の機能について見ていきましょう。

液胞は植物細胞においてよく発達している器官ですが、植物細胞だけでなく動物細胞にも存在していることはご存知でしょうか。高校生物では、液胞は植物細胞に固有の器官だと学習したことと思いますが、その機能は植物細胞のものと比べると非常に少なくかつ副次的であるものの、動物細胞にも非常に小さな液胞が存在することが分かっています。

この記事では、まず機能の豊富な植物細胞の液胞について解説し、その後で動物細胞の液胞の持つ機能についても解説していきますね。

植物細胞の液胞の機能は?

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それでは、まずは植物細胞の液胞の主な機能について見ていきましょう。

\次のページで「空間充填機能」を解説!/

空間充填機能

植物細胞の液胞は、動物細胞の液胞と比べて非常に大きな構造を持っており、動物細胞の液胞が電子顕微鏡でないと見えないのに対し、中学校にあるような光学顕微鏡でも観察することができます。植物細胞の液胞が動物細胞のものと比べて非常に大きい理由は、その内部に水分をはじめとする様々な物質を蓄えて膨らむことで、細胞の大きさを確保しているからです。動物の細胞は細胞質と呼ばれる細胞小器官が発達しているため、それにより細胞内部の空間が充填されていますが、植物細胞ではこの細胞質が発達していません。細胞質に代わって、細胞を内側から押すことで細胞の大きさや形態を確保するこの液胞の機能を空間充填機能と呼びます。

植物細胞の液胞は動物細胞のものよりも大きく、内部に水分をはじめとする様々な物質を含んで膨らむことにより、植物は形態を維持しているのですね。

有害物質の隔離と分解

液胞の機能の1つに、有害物質の隔離と分解があります。植物の細胞内で不要になった老廃物有害な物質は、一旦液胞へと輸送されて、細胞に悪影響が及ばないように隔離されるということです。また、液胞の中には、多くの液体とともにタンパク質分解酵素が含まれており、これが機能することで、有害な物質を無害な状態まで分解するという機構を持っています。

細胞内の貯蔵庫としての機能

液胞は前述のように不要物や有害物質を内部に蓄積する機能を持ちますが、それ以外に、植物の生存に必要な様々な養分も貯蔵しています。みなさんが果物を食べると甘い味がすると思いますが、これは果実の細胞内の液胞に、が大量に貯蔵されているからというわけです。また、糖以外にも、酸味の元となる有機酸や、タンパク質のような有機物カリウムイオン塩化物イオンといった無機栄養素まで蓄積する働きも持っています。栄養素ではありませんが、花の色を決定するアントシアニンという色素成分を貯蔵している場合もありますね。

水分の吸収による肥大成長

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植物の液胞が内部に様々な物質を蓄えていることについて解説しましたが、植物はそれにより、液胞内の水分量も浸透圧で調節しています。浸透圧とは、濃度の高い液体と濃度の低い液体が、半透膜(小さな分子のみを通す膜のことです)で遮られると、通常は濃度の低い方から高い方へ水分が移動する現象に関わる圧力のことです。液胞の中に様々な物質が蓄えられると、液胞の内部は濃度が高い状態になり、周りから水分を吸収します。これにより細胞全体が膨らむことになりますが、それが複数の細胞で起きると、植物全体が肥大することにつながるというわけです。この時生じる細胞が膨らもうとする圧力のことを特に膨圧ぼうあつ)と呼びます。

\次のページで「動物細胞の液胞の機能は?」を解説!/

膨圧により植物は細胞を大きく膨らませることができ、それにより肥大していきます。

動物細胞の液胞の機能は?

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植物に続き、今度は動物細胞の液胞の働きについて解説します。植物の液胞とどのように異なるかについて注意しながら見ていきましょう。

エキソサイトーシスの補助

エキソサイトーシスとは、細胞内から細胞外へと、タンパク質や脂質を分泌する働きのことを言います。細胞内のリボソームで作られたタンパク質は、ゴルジ体小胞体と呼ばれる細胞小器官を経て細胞外へと分泌されていきますが、動物細胞の液胞はこの機能を補助しているというわけです。具体的には、タンパク質や脂質を液胞が包み込むことで、それらが壊れたり漏れ出したりすることを防いでいます。

エンドサイトーシスの補助

エキソサイトーシスが細胞内から細胞外へ物質を輸送することを指しましたが、エンドサイトーシスはその反対で、細胞外の物質を細胞内へと運び込む機能のことを言います。細胞外から様々な物質が運ばれてくると、細胞膜が細胞の内側に陥没しながら、それらの物質を包み込むように変化するのです。完全に細胞内にめり込んだ後は、細胞膜がくびれるようになって切断され、細胞内に浮かぶ小胞となりますが、この小胞のことを、動物細胞においては液胞と呼びます、

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細胞内の物質を細胞外へと輸送する働きのことをエキソサイトーシスと呼び、反対に細胞外から細胞内へ物質を取り込む働きのことをエンドサイトーシスと呼びました。

\次のページで「液胞の機能について復習してみましょう」を解説!/

液胞の機能について復習してみましょう

今回は植物細胞と動物細胞に存在する液胞について解説しました。

高校生物では、液胞は植物細胞にのみ存在する細胞小器官と学習したと思いますが、実は動物細胞にも存在し、複数の機能を担っていることが分かったかと思います。それぞれの機能の違いを比較しながら、改めて復習してみてくださいね。

イラスト使用元:いらすとや

" /> 5分で分かる「液胞」植物と動物での違いを東大生物学科卒が分かりやすくわかりやすく解説 – Study-Z
タンパク質と生物体の機能理科生物

5分で分かる「液胞」植物と動物での違いを東大生物学科卒が分かりやすくわかりやすく解説

今回のテーマ「液胞」について見ていこう。
高校生物で学習したことを覚えている人もいるかもしれないが、その詳しい働きまでは思い出せないのではないでしょうか。
今回は、高校生物で学ぶ液胞の働きに加え、それ以外の機能についても、東大生物学科卒で生物に詳しいライターAEON2と一緒に解説していきます。

ライター/AEON2

東京大学理学部生物学科出身で、在学中は塾講師として高校受験生物の指導をすること多数。また高校時代には、国際生物学オリンピックの国内選考で銅メダルを受賞した経験あり。趣味はボディビルディング。

液胞とは?

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液胞は、細胞小器官と呼ばれる細胞内の構造の1種です。液胞の解説に入る前に、まずは、細胞小器官とはなんなのかについて簡単に見ていきましょう。

細胞小器官とは?

生物の細胞は、複数の細胞小器官オルガネラとも言います)をその中に持っており、それらが協調して機能することで、細胞単体から、ひいては生物全体の生命を維持しています。細胞小器官には、核やゴルジ体、ミトコンドリア、葉緑体など、いろいろなものが知られていますが、その中に今回解説する液胞も含まれるというわけです。

植物細胞の液胞と動物細胞の液胞について

液胞は植物細胞において特によく発達している細胞小器官で、その働きは多岐に渡ります。今回は、特にこの植物細胞の液胞の機能について見ていきましょう。

液胞は植物細胞においてよく発達している器官ですが、植物細胞だけでなく動物細胞にも存在していることはご存知でしょうか。高校生物では、液胞は植物細胞に固有の器官だと学習したことと思いますが、その機能は植物細胞のものと比べると非常に少なくかつ副次的であるものの、動物細胞にも非常に小さな液胞が存在することが分かっています。

この記事では、まず機能の豊富な植物細胞の液胞について解説し、その後で動物細胞の液胞の持つ機能についても解説していきますね。

植物細胞の液胞の機能は?

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それでは、まずは植物細胞の液胞の主な機能について見ていきましょう。

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