超高速で進む物体は「時間がゆっくり流れる」と聞いたことはなかろうか?そう、いわゆる相対性理論。静止した系から観測する1秒が高速移動する物体では0.9秒だったり0.8秒だったりあるいは0.0秒だったりする。そして高速移動する物体では時間と同様「移動距離」も短くなる。これがローレンツ収縮であり全長が短くなることから「縮んだ」ようになる。なぜそのようなことが起きるか、理系ライターのR175と見ていこう。

ライター/R175

関西のとある国立大の理系出身。学生時代は物理が得意で理科の教員免許も持っている。技術者の経験があり、教科書の内容では終わらず身近な現象と関連付けての説明を心掛ける。

1.速度を持った系では時間が縮む?

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静止した物体から観測する1秒は移動する物体から観測すると1秒より短くなります。なぜでしょうか?順を追って見ていきましょう。

系とは?

系とは?

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今回の記事でよく登場する「というワードについて簡単に触れておきましょう。系とは「観測する基準」のこと。例えば、踏切で待ってAさんから見た場合を系A、電車に乗っているBさんから見た場合を系Bとしましょう。時速10kmで電車と同じ方向に進む自転車は系Aから見ると右向きに時速10km、系Bから見ると左向きに時速50km。距離や時間、速度を議論する時はどこ基準で見るかを決める必要があり、その基準のことを系と呼びます。系は静止状態とか電車の中とか自転車など、観測する基準とイメージしてください。

2.相対性理論

簡単に言うと、速度を持った系では静止した系より移動距離や時間が短くなるという話。

光速度不変の原理原理とローレンツ収縮

どんな系でも共通なのは光速度のみで、時間や距離は系によって辻褄を合わせるように変化します。なぜ辻褄を合わせる必要が出てくるのか?動いている系ではなぜ時間や距離がズレてくるのでしょう。

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3.ローレンツ収縮解説前の大前提

速度を持つ系では時間と距離が縮みますが、その解説に入る前に予備知識を整理しておきましょう。

3-1.距離、速さ、時間の関係

算数で出てくる公式である「距離=速さ×時間」。これはどんな場合も例外なしです。速さが一定で距離が長くなれば時間もは長くなります。ちなみに光速度(30万km/秒、1秒間で地球7周半進む速さ)cで表されることが多いです。この光速度は宇宙で最も速い速度であり、これ以上速いモノはないとされています。

3-2.相対速度

3-2.相対速度

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同じ動きを観測していても、観測する基準によって速度や移動距離が変わってきます。例えば、Aさんが時速21kmで壁と平行に走りながら時速72kmで壁に向かってボールを投げたとしましょう。Aさんからみるとボールの速度は時速72kmで方向は壁に向かて垂直な向きですね。では止まっている人から見たボールの速度は?止まっている人から見るとボールは壁に真っ直ぐ向かっておらずAさんと共に横方向にも時速21kmで動いていますね。イラストに示す斜め方向に向かっておりその速度は三平方の定理か時速75kmとなります。このように、同じ動きを捉えていても系(観測する基準)によって速度は異なるものです。

 

3-3.異なる系から見た移動距離

3-3.異なる系から見た移動距離

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前項で壁までの距離が24mだったとしましょう。ボールが壁にぶつかるまでの移動距離は何mでしょうか?まずAさんから見るとボールは真っ直ぐ壁に向かって行ったように観測されるためボールの移動距離は24m一方静止状態から観測するとボールは斜めに投げられたのだから作図より移動距離は25mと求まります。横方向に動いているAさんからしたら、横方向の動きは無視出来るため速度も移動距離も壁なら垂直な向きのみとなりますが、静止している人から見ると横方向の動きも考慮する必要があり速度も移動距離も長く観測されるのです。

4.時間の収縮

なぜ速度を持っていると時間の流れがゆっくりになるか?先ほどのように相対速度や三平方の定理を登場させながら解説していきます。ただし、ここでは移動する物体はボールではなく光です。

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イラストのように、速度vで進む系の垂直方向に光を発射します。Lだけ離れた壁に光が到達するまでの時間を考えましょう。速度vで動いている人は光が壁に到達するまでL/cだと言い、静止系にいる人はもっとかかると言っております。移動系では静止系より時間が経過していない、時間がゆっくり流れているわけです。

あれれ?さっきのボール壁当ての例では時間は同じでボールの速さを変えていたのに今回はなぜ時間が違っているのか?それは今回移動しているのはだから。ボールは光速度ではありませんから観測する系によって速度は変化するもの。しかし光の速さcはどんな系から見ても変わりません。その代わり、辻褄を合わせるかのように移動時間が変わる必要があるのです。

5.長さの収縮(ローレンツ収縮)

5.長さの収縮(ローレンツ収縮)

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ここから本題のローレンツ収縮。先ほど、移動する系では時間が短縮されることを確認しましたが、その時物体の全長も短縮されます。

速度vの系(宇宙船をイメージしましょう)では静止系より時間がゆっくり流れているもの。静止系との時間の比率は上述の通りで、移動している系では経過時間が短く観測されます。一方、光速度はどちらの系でも同じ距離=速度x時間で表されるため、動いている系は時間の値が小さくなり距離の値も小さくなるのです(縮む)。これがローレンツ収縮です。

日常生活ではほぼ無視できる

ここまでで、速度を持った系では距離や時間が縮むことを前提に記述をしてきましたが、日常で思い浮かべる程度の速度なら、時間の遅れにしろ距離の収縮しろほぼ起こっていないと考えましょう。例えば、新幹線に乗ったから飛行機に乗ったからと言って時間がさほどゆっくり流れるわけではないですね。厳密にはゆっくり流れているのですがその差はごく僅かであり、時計を合わし直す必要さえありません。

新幹線・飛行機での時間距離の収縮

新幹線の速度は時速300km(83m/s)、飛行機で時速800km(222m/s)でこの値をvに代入しましょう。vは10の1乗あるいは10の2乗オーダーです。一方光速度は10の8乗オーダー。これを先ほどの式に代入してみましょう。

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静止系で1秒経ったとき、新幹線では100兆分の4秒、飛行機で10兆分の3秒だけ時間が遅れます。仮に新幹線に79万年、飛行機に10万年ほど乗車していれば静止系より時計が1秒遅れる計算です。

つじつま合わせのごとく時間と距離が縮む

移動系から発する光を静止系から観測すると、移動系から観測するより移動距離が長くなります。一方光速度はどの系でも一定。距離=速度x時間を成立させるためには、移動系では時間が短くなる必要があり、これが時間遅れやローレンツ収縮の原因。

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物理理科統計力学・相対性理論

3分で簡単「ローレンツ収縮」何のこと?移動距離が縮む?理系ライターがわかりやすく解説

超高速で進む物体は「時間がゆっくり流れる」と聞いたことはなかろうか?そう、いわゆる相対性理論。静止した系から観測する1秒が高速移動する物体では0.9秒だったり0.8秒だったりあるいは0.0秒だったりする。そして高速移動する物体では時間と同様「移動距離」も短くなる。これがローレンツ収縮であり全長が短くなることから「縮んだ」ようになる。なぜそのようなことが起きるか、理系ライターのR175と見ていこう。

ライター/R175

関西のとある国立大の理系出身。学生時代は物理が得意で理科の教員免許も持っている。技術者の経験があり、教科書の内容では終わらず身近な現象と関連付けての説明を心掛ける。

1.速度を持った系では時間が縮む?

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静止した物体から観測する1秒は移動する物体から観測すると1秒より短くなります。なぜでしょうか?順を追って見ていきましょう。

系とは?

系とは?

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今回の記事でよく登場する「というワードについて簡単に触れておきましょう。系とは「観測する基準」のこと。例えば、踏切で待ってAさんから見た場合を系A、電車に乗っているBさんから見た場合を系Bとしましょう。時速10kmで電車と同じ方向に進む自転車は系Aから見ると右向きに時速10km、系Bから見ると左向きに時速50km。距離や時間、速度を議論する時はどこ基準で見るかを決める必要があり、その基準のことを系と呼びます。系は静止状態とか電車の中とか自転車など、観測する基準とイメージしてください。

2.相対性理論

簡単に言うと、速度を持った系では静止した系より移動距離や時間が短くなるという話。

光速度不変の原理原理とローレンツ収縮

どんな系でも共通なのは光速度のみで、時間や距離は系によって辻褄を合わせるように変化します。なぜ辻褄を合わせる必要が出てくるのか?動いている系ではなぜ時間や距離がズレてくるのでしょう。

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