「反応速度論」って何?理系学生ライターが丁寧にわかりやすく解説!
反応速度論は、化学反応のスピードを数式を用いて考察する学問分野です。化学分野だけでなく、生物学や環境学などにも応用されており、実用的な学問だと言えるぞ。ですが、多くの変数と微分方程式が登場して、難しく感じるかもしれない。今回は、用語や式の丁寧な説明を心掛けた。ぜひ、この機会に反応速度論についての理解を深めてくれ。
環境工学、エネルギー工学を専攻している理系学生ライターの通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していきます。
ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。環境中における物質の流れや変化について学習する機会があったことから、反応速度論についても深く理解している。
反応速度論とは?
化学反応が進行するスピードは、反応によって異なります。例えば、都市ガスの主成分であるメタンの燃焼は一瞬にして起こりますよね。このとき、一挙に熱エネルギーが放出されるので、フライパンなどを加熱するこができますよ。一方、空気中に放置された鉄が酸化して錆になるという反応は、最低でも数日、長い場合は数か月かかります。また、熱エネルギーは少しずつ放出されますよ。
では、化学反応が進行するスピードの大小はどのような手段で定量的に表現するのでしょうか?このような問いに対して答えを示してくれるのが反応速度論なのです。また、反応速度論では、化学反応のスピードの増減がどのような要因によっておこるのかということも考えます。この記事では、これらの手法を一つ一つ丁寧に説明していきますよ。
反応速度の定義
image by Study-Z編集部
ここでは、化学反応が進行するスピードの大小を定量的に表す方法を考えましょう。スピードを比較する場合には、単位時間あたりにどれだけの量の物質が反応したか(増減したか)を知ることができると良さそうです。ただ、このときに反応した物質の量で比較すると、問題が発生します。同じ化学反応であっても、用意した反応物の量が異なれば、値が変わってしまうからです。このような理由から、反応速度の定義は「単位時間あたりに化学反応によって増減した物質の濃度」とされるのが一般的ですよ。
言葉での説明だけでは、理解しずらいかもしれませんので、具体的な数字を使って考えてみましょう。反応物Aの濃度がある瞬間に0.60[mol/L]で、その十秒後に0.55[mol/L]になった場合の平均反応速度の値を求めます。反応物の量は、化学反応の進行に伴って、減少していきますよね。ですから、今回は減少のスピードで表現します。したがって、反応物Aは10秒間で、0.050[mol/L]減少していることから、反応速度は0.050[mol/L]÷10[s]=0.0050[mol/L・s]となるのです。
実際の反応では、反応速度の値は時々刻々と変化します。正確な反応速度を測定するには、できるだけ時間間隔を小さくとって、濃度を測定する必要がありますよね。これは、力学で学習する平均の速度と瞬間の速度の概念と全く同じです。ですから、反応速度の正確な定義は濃度を時間で微分したものということになります。計算式で表すと、v=-d[A]/dtとなりますね。ここで、[A]は反応物Aの濃度を表していますよ。
反応速度の規則性
image by Study-Z編集部
ここでは、反応速度の値がどのような規則で増減するのかを考えていきましょう。例えば、aA+bB→cC+dDという化学反応が存在したとします。この化学反応の反応速度vは、多くの場合v=k[A]α[B]βの形で与えられますよ。α+βの値を反応の次数と言います。このとき、α=a、β=bが必ずしも成立するとは限りませんので、注意が必要です。
また、kは温度や触媒の有無に依存する定数ですよ。k=Aexp(-E/RT)という式で求めることができます。この式はアレニウスの式と呼ばれ、Aは頻度因子、Eは活性化エネルギー、Rは気体定数、Tは絶対温度です。頻度因子Aと活性化エネルギーEの値は、反応によって固有の値を示しますが、触媒の有無で値が変化します。
そして、この式から、温度Tの値が大きくなるとkの値が大きくなることがわかりますよね。温度が高くなると、分子の運動が激しくなり、分子同士の衝突回数が増加します。これにより、化学反応が促進されるからです。以下では、代表的な反応速度と濃度の関係式を紹介します。今回は、単純化のため逆反応は考えません。
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