今回は湿度について解説していきます。

湿度について聞いたことがない人はいないと思う。天気予報では大抵湿度についての予報もある。ですが湿度のパーセンテージの意味について正確に説明できるでしょうか?この記事で湿度について科学的にしっかり学んでみよう。

今回は物理学科出身のライター・トオルさんと解説していきます。

物理学科出身のライター。広く科学一般に興味を持つ。初学者でも理解できる記事を目指している。

湿度について

image by iStockphoto

湿度は一般的に使われる言葉だと思います。加湿器や除湿器を持っている人も多いと思いますし、湿度計を持っている人もいるかもしれません。エアコンを入れると乾燥するので加湿するなど、室内の環境を快適にするには、室温とともに湿度も適切に調湿されていないといけないことも、多くの人が知っていることだと思います。

とはいえ、湿度の科学的な定義は知らなかったり、忘れてしまったりしている人が多いでしょう。今回は湿度の科学的な定義について紹介します。一度習ったことがことがある人は、思い出しながら読んでいただければ幸いです。

水蒸気圧について

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Mysid - Vectorized version of w:Image:Atmosphere gas proportions.gif (originally by Brockert). I SVG'd it a) to make it more international (chemical symbols) b) to make it (hopefully) clearer when rendered as a thumbnail and c) to make it easier to modify., パブリック・ドメイン, リンクによる

湿度が水分と関係していることはなんとなくわかるでしょう。そこで、まずは空気中の水蒸気の量を表す方法から説明します。その方法とは水蒸気の圧力を使うことです。これにはドルトン分圧の法則というものが関係しています。

例えば、乾燥した1気圧の空気では、空気分子の割合は窒素78%、酸素21%です。そして、この比はそのままそれぞれの気体の圧力になります。つまり空気では窒素の圧力が0.78気圧、酸素の圧力が0.21気圧です。このように混合した気体の気圧を気体の種類ごとに分けて表したものを分圧といい、そして、各気体の分圧の和は全体の気圧と等しくなっているというのがドルトン分圧の法則になります。

この非常に簡単な法則を水蒸気に適用しましょう。水蒸気の分圧は水蒸気圧とばれ、水蒸気を4%含む空気では、水蒸気圧は0.04気圧です。沸騰するやかんの内部では、湯の上の空間がすべて水蒸気で満たされているとすると、水蒸気圧は1気圧、つまり水蒸気が100%になります。通常の大気の温度では、水蒸気圧は1気圧までは達しません。大気中の水蒸気圧は温度に応じた上限があるのです。次はこの条件がどのように決まるかを説明しましょう。

上記の画像は乾燥空気の成分の割合の画像です。

水蒸気の飽和について

水蒸気の飽和について

image by Study-Z編集部

液体の水の表面に注目してみましょう。通常液体の水分子は、分子同士が引き合う力でくっついていますが、小刻みに運動しています。中には、周りの分子からの影響で運動が激しくなり、水面から空気中に水分子が飛び出してしまうことがあり、これが蒸発と呼ばれる現象です。反対に、空中を飛び回る水蒸気分子が水面に飛び込んで、液体の水に捕らえられてしまうこともあり、これは凝結と呼ばれます。

水面から飛び出してくる水分子の数が、水面に飛び込んでくる水分子の数より大きいときは、全体として蒸発が進み空気中の水蒸気圧は大きくなっていくでしょう。すると、今度は空気中の水分子の数が増加することによって、空中から水面に飛んでくる水分子の数も増えていきます。そして、いずれ水面から飛び出す分子の数と飛び込む分子の数が等しくなる時が来るはずです。この水面から飛び出す分子と、飛び込む分子の数が同じ状態が気液平衡と呼ばれる状態になります。

気液平衡になると水分子は移動しても、空気中の水蒸気の量はこれ以上変化しません。これが水蒸気が飽和していると呼ばれる状態であり、飽和している時の水蒸気圧を飽和水蒸気圧と呼びます。

飽和水蒸気圧と温度の関係

飽和水蒸気圧と温度の関係

image by Study-Z編集部

飽和は気体の水分子と液体の水分子が数のバランスを保って共存している関係であり、空気の他の成分はまったく関係ありません。そして、その存在できる量は、水と水蒸気の温度だけによって決まります。温度が上がると分子の運動が激しくなり、水面から飛び出す分子数が増え、これによって進むのが蒸発です。水蒸気圧は大きくなりますが、あるところでまた飽和になります。

つまり温度が上がると飽和水蒸気圧は大きくなり、逆に温度が下がると飽和水蒸気圧は小さくなるのです。この飽和水蒸気圧と温度の関係をグラフで表したものが上記の画像になります。100℃の飽和水蒸気圧は約1013hPaすなわち1気圧です。地上付近では100℃で沸騰が起こるのは飽和水蒸気圧が1気圧だからということになります。上記のグラフより、約500hPaつまり0.5気圧では、水が沸騰する温度はおよそ80℃になることがわかるでしょう。

\次のページで「湿度について」を解説!/

湿度について

湿度について

image by Study-Z編集部

これで湿度について説明する準備ができました。湿度についての表し方は実は2通りあります。一つは空気中の実際の水蒸気量を表すもので、それが絶対湿度です。もう一つは、飽和水蒸気圧に対して実際の水蒸気圧が何%になっているかを表すもので、これを相対湿度といいます。この相対湿度が一般に湿度としてよく使われるものです。

人間が感じる空気の湿り具合は皮膚や粘膜から水がどの程度蒸発しているかのセンサーになります。皮膚や粘膜から水分が蒸発しているときは乾燥していると感じ、蒸発が進まない時は湿気ていると体感されるようです。飽和水蒸気圧が14hPaである12℃の空気の水蒸気圧が14hPaであるのと、飽和水蒸気圧が30hPaである24℃の空気の水蒸気圧が20hPaであるのとでは、絶対量では後者のほうが水蒸気が多いにもかかわらず、人間は後者のほうが乾燥していると感じます。相対湿度で表すと前者は100%、後者は約67%です。このように相対湿度のほうが人間の感覚に近くなるので、相対湿度が広く使われています。

飽和水蒸気圧が温度によって変化することから、相対湿度は実際の水蒸気量は変わらくても、温度が変わるだけで異なる値になることがわかるでしょう。水蒸気圧が16hPaの場合、温度が20℃の空気では相対湿度は約68%ですが、14℃では約100%です。さらに温度が下がる場合は過飽和と呼ばれる状態になります。ちょうど飽和になるときの温度を露点といい、地上で露点に達すると起こる現象が結露です。

雲の出来方について

Cumulus cloud above Lechtaler Alps at tannheim, Austria.jpg
Glg - photo taken by Glg, CC BY-SA 2.0 de, リンクによる

最後は雲のでき方について簡単に紹介しておきましょう。前節の最後で、温度が下がると飽和水蒸気圧が下がることを説明しました。さらに空気は周囲より温度が高くなると密度が高くなる性質と、周囲と熱のやり取りをせずに体積が大きくなると温度が下がるという性質があります。これらをあわせたのが雲のでき方です。周囲と熱のやり取りをせずに体積が大きくなることを断熱膨張と言います。

まず何らかの原因で空気が温められると、その空気は周囲との密度差によって浮力を得て上昇を始めるでしょう。高くなるほど気圧は低くなりますので、上昇した空気は膨張します。空気は熱が伝わるのに時間がかかるため、これは断熱膨張です。断熱膨張では温度が下がりますので、温度が下がっていくと飽和水蒸気圧も下がっていき、いつか露点に達します。

かなり大雑把ですが、これが雲ができる仕組みです。これは主に積雲と呼ばれるものができる仕組みであり、上記の画像がその積雲になります。ちなみに、雲には様々な種類があり大きく分けて10種類に分類されていて、積雲もその一つです。

日本は多湿の国

日本は世界では比較的多湿の国です。梅雨時の日本で生活したことがある人は実感できるでしょう。部屋の隅に発生するカビなどでも実感できます。さらに日本は夏でも湿度が高いことが多く、気温は日本より高い国の人でも、日本の夏を暑く感じることがあるようです。それは湿度が高い、つまり飽和水蒸気圧に近いため、乾燥している国に比べ汗が蒸発しにくいというのが理由になります。

汗は蒸発することによって体の熱を体外に逃がす効果があるのですが、汗が蒸発しないことによってこの機能が発揮されず体内に熱がこもってしまうからです。熱中症にはくれぐれも注意してください。

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地学大気・海洋理科

日常的に使われている「湿度」の正確な意味を理系ライターが丁寧にわかりやすく解説

今回は湿度について解説していきます。

湿度について聞いたことがない人はいないと思う。天気予報では大抵湿度についての予報もある。ですが湿度のパーセンテージの意味について正確に説明できるでしょうか?この記事で湿度について科学的にしっかり学んでみよう。

今回は物理学科出身のライター・トオルさんと解説していきます。

物理学科出身のライター。広く科学一般に興味を持つ。初学者でも理解できる記事を目指している。

湿度について

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湿度は一般的に使われる言葉だと思います。加湿器や除湿器を持っている人も多いと思いますし、湿度計を持っている人もいるかもしれません。エアコンを入れると乾燥するので加湿するなど、室内の環境を快適にするには、室温とともに湿度も適切に調湿されていないといけないことも、多くの人が知っていることだと思います。

とはいえ、湿度の科学的な定義は知らなかったり、忘れてしまったりしている人が多いでしょう。今回は湿度の科学的な定義について紹介します。一度習ったことがことがある人は、思い出しながら読んでいただければ幸いです。

水蒸気圧について

Atmosphere gas proportions.svg
Mysid – Vectorized version of w:Image:Atmosphere gas proportions.gif (originally by Brockert). I SVG’d it a) to make it more international (chemical symbols) b) to make it (hopefully) clearer when rendered as a thumbnail and c) to make it easier to modify., パブリック・ドメイン, リンクによる

湿度が水分と関係していることはなんとなくわかるでしょう。そこで、まずは空気中の水蒸気の量を表す方法から説明します。その方法とは水蒸気の圧力を使うことです。これにはドルトン分圧の法則というものが関係しています。

例えば、乾燥した1気圧の空気では、空気分子の割合は窒素78%、酸素21%です。そして、この比はそのままそれぞれの気体の圧力になります。つまり空気では窒素の圧力が0.78気圧、酸素の圧力が0.21気圧です。このように混合した気体の気圧を気体の種類ごとに分けて表したものを分圧といい、そして、各気体の分圧の和は全体の気圧と等しくなっているというのがドルトン分圧の法則になります。

この非常に簡単な法則を水蒸気に適用しましょう。水蒸気の分圧は水蒸気圧とばれ、水蒸気を4%含む空気では、水蒸気圧は0.04気圧です。沸騰するやかんの内部では、湯の上の空間がすべて水蒸気で満たされているとすると、水蒸気圧は1気圧、つまり水蒸気が100%になります。通常の大気の温度では、水蒸気圧は1気圧までは達しません。大気中の水蒸気圧は温度に応じた上限があるのです。次はこの条件がどのように決まるかを説明しましょう。

上記の画像は乾燥空気の成分の割合の画像です。

水蒸気の飽和について

水蒸気の飽和について

image by Study-Z編集部

液体の水の表面に注目してみましょう。通常液体の水分子は、分子同士が引き合う力でくっついていますが、小刻みに運動しています。中には、周りの分子からの影響で運動が激しくなり、水面から空気中に水分子が飛び出してしまうことがあり、これが蒸発と呼ばれる現象です。反対に、空中を飛び回る水蒸気分子が水面に飛び込んで、液体の水に捕らえられてしまうこともあり、これは凝結と呼ばれます。

水面から飛び出してくる水分子の数が、水面に飛び込んでくる水分子の数より大きいときは、全体として蒸発が進み空気中の水蒸気圧は大きくなっていくでしょう。すると、今度は空気中の水分子の数が増加することによって、空中から水面に飛んでくる水分子の数も増えていきます。そして、いずれ水面から飛び出す分子の数と飛び込む分子の数が等しくなる時が来るはずです。この水面から飛び出す分子と、飛び込む分子の数が同じ状態が気液平衡と呼ばれる状態になります。

気液平衡になると水分子は移動しても、空気中の水蒸気の量はこれ以上変化しません。これが水蒸気が飽和していると呼ばれる状態であり、飽和している時の水蒸気圧を飽和水蒸気圧と呼びます。

飽和水蒸気圧と温度の関係

飽和水蒸気圧と温度の関係

image by Study-Z編集部

飽和は気体の水分子と液体の水分子が数のバランスを保って共存している関係であり、空気の他の成分はまったく関係ありません。そして、その存在できる量は、水と水蒸気の温度だけによって決まります。温度が上がると分子の運動が激しくなり、水面から飛び出す分子数が増え、これによって進むのが蒸発です。水蒸気圧は大きくなりますが、あるところでまた飽和になります。

つまり温度が上がると飽和水蒸気圧は大きくなり、逆に温度が下がると飽和水蒸気圧は小さくなるのです。この飽和水蒸気圧と温度の関係をグラフで表したものが上記の画像になります。100℃の飽和水蒸気圧は約1013hPaすなわち1気圧です。地上付近では100℃で沸騰が起こるのは飽和水蒸気圧が1気圧だからということになります。上記のグラフより、約500hPaつまり0.5気圧では、水が沸騰する温度はおよそ80℃になることがわかるでしょう。

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