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再生可能エネルギー投資に暗雲…GX関連予算、環境シンクタンクが分析して見えたこと

再生可能エネルギー投資に暗雲…GX関連予算、環境シンクタンクが分析して見えたこと

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AI・半導体 省電力対策に軸

環境シンクタンクのクライメート・インテグレート(東京都港区)は、日本のグリーン・トランスフォーメーション(GX)関連予算を分析した報告書を公表した。2026年度の気候・エネルギー予算は4兆6593億円となり、全体の3・3%を占めた。前年度比では117億円の減額、割合も0・3ポイント低下した。省エネ対策に含まれるAI(人工知能)・半導体の予算が大幅に増加した一方で、再生可能エネルギーは少額にとどまった。

クライメート・インテグレートのレポートを基に作成

クライメート・インテグレートは26年度本予算と25年度補正予算から集計した。補正予算は26年度中に執行されるため対象に含めた。予算総額は140兆円で、前年度から11兆円増加した。気候・エネルギー予算の変動はなく4兆円台で推移している。

気候・エネルギー予算を省庁別にみると経済産業省が76%、環境省が11%、文部科学省が4%。国土交通省が3%となり、傾向は同じ。クライメート・インテグレートの分類による分野別では省エネが52%と、大きな割合を占めた(前年度32%)。前年度最大だった化石燃料は21%と縮小(同38%)。分野横断が12%(同13%)、原子力・核融合が10%(同8%)、再生エネが3%(同4%)、蓄電池が1%(同4%)と続いた。

最大となった省エネのうち、AI・半導体への配分が増えた。AI・半導体だけでも気候・エネルギー予算全体の32%(同10%)を占めた。AIによる制御や最先端半導体の活用によって社会の省エネ化が期待でき、政府は23年に閣議決定した「GX基本方針」で投資分野に位置付けた。また、高市早苗政権の「戦略17分野」にもAI・半導体が掲げられ、予算が増えたとみられる。省エネ分野で次に大きな配分が住宅・建築物の8%だった。

化石燃料には水素や二酸化炭素(CO2)の回収・利用・貯蔵(CCUS)などを含む。だが内訳を見ると、電気・ガス代などエネルギー価格の高騰を緩和する予算が大部分を占めた。全体の1%だった蓄電池は減少を続けており、24年度の10分の1まで縮小した。

気候・エネルギー予算のうちGX推進対策費は37%の1兆7043億円だった。同対策費は、脱炭素社会への転換を促進する予算。国債「GX経済移行債(GX債)」を発行して調達した資金が財源だ。

23年―26年度のGX推進対策費の総額は6兆5129億円。政府は10年間かけて20兆円を先行投資し、民間からも130兆円の脱炭素投資を呼び込むとしている。先行投資にはGX推進対策費が含まれるが、クライメート・インテグレートの山﨑ゆきみ研究員は「民間からの投資実態は不明」とする。

「10年目標」実績伴わず

また、10年間の官民合計の目標投資額も定めている。再生エネは31兆円の目標に対し、GX推進対策費(23年―26年度)で1830億円の実績となっており、目標額の1%未満にとどまる。自動車(目標34兆円)、「くらし」(同14兆円)も目標額の10%に満たない。一方でAI・半導体(同12兆円)は10%、原子力(目標1兆円)は30%を超えた。

GX推進対策費とGX債発行額

目標額の大きさと実際の投資額に差があり、再生エネの予算が少ないことから「気候・エネルギー予算の規模や配分が脱炭素にどれだけ寄与するのか検証が必要」(山﨑研究員)と指摘する。

GX債は総額20兆円を発行することが決まっている。これまでにGX債のうち、GX投資に充当する「クライメート・トランジション利付国債」を3回発行した。発行額は23年度が約1兆6000億円、24年度が約1兆4000億円、25年度は約1兆2000億円と続き、26年度は1兆円を予定しており減少している。クライメート・インテグレートの溝田裕美ディレクターは「投資家にとって魅力のある商品設計に向けた工夫が期待される」とコメントした。

政府は温室効果ガス(GHG)排出量を30年度に13年度46%削減する目標を掲げる。24年度時点で28・7%減まで削減した。今後も達成に向けた予算の配分が注目される。

日刊工業新聞 2026年5月29日

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