厚板向け切断機の世界3大メーカー ―ガス・溶接・切断をトータルシステムで提供
記者の目/ここに注目
□80カ国以上でモノづくりの進化に貢献
□若手の主体性を尊重し、やる気を引き出す
小池酸素工業は金属材料を加工する企業に向けてさまざまな種類のガスや溶接・切断のための加工機械、システムなどを開発、生産、販売する。同社の事業は「機械装置」「高圧ガス」「溶接機材」の三つのセグメントと「先端機器事業」で構成。特に、造船や建設機械、建築、橋梁などの用途で使われる厚板向けの切断機では高いシェアを持ち、欧州メーカーと並んで世界3大メーカーの一角を占める。世界の造船市場の大部分を占める日中韓の大手造船所では同社の切断機が多数使われているという。加工機械単体だけでなくシステムも含めて提案できることが同社の強みだ。グローバルネットワークを活かし、80カ国以上の地域に顧客を持つ。
高精度・高品質な切断を実現
三つのセグメントのうち売上構成比が最も大きいのが機械装置だ。切断機の製造・販売のほか、周辺機器や関連ソフトウエアまで幅広く展開。切断方式はガス、プラズマ、レーザの3種類を揃える。母材の板厚や鋼種、表面状態に合わせて最適なビームを調整するDBC(デュアル・ビーム・コントロール)発振器を搭載したファイバーレーザ切断機は、ガス、プラズマに比べて鋼板を高精 度・高品質に切断できる。高圧ガスは産業・医療向けを中心に幅広く展開する。国内を代表するメーカーの溶接関連機材や各種産業機器・保護具などの工場用備品を販売する商社機能も担う。
環境関連の先端機器事業では、液晶や半導体の製造に使われる温室効果ガス、毒性ガスを燃焼・分解する燃焼式排ガス処理装置や、大学・研究機関で使用されるヘリウム液化機、光ファイバーなどの製造工程で利用されたヘリウムガスを効率よく回収・精製しリサイクルするヘリウム回収精製装置などの製造・販売も行う。小池英夫社長は「売り上げ規模としてはまだ小さいが、ゆくゆくは4本目の柱にしたい」と話す。
縁の下で社会インフラ支える
2025年10月に新たにKOIKEグループ理念体系を制定した。従来の経営理念は20数年前に作ったもので、グループとしての経営理念はこれまでなかった。時代背景の変化に対応するとともに、「グループ全体で一致団結して相乗効果を出しながら成果を出していく」(小池社長)ことを目指している。新理念の検討にあたり、グループ会社を含めて若手からベテランまで幅広い社員にヒアリングを実施。これからの会社のあるべき姿、社員のあるべき考え方や行動様式を見直し、ミッション・ビジョン・行動指針に落とし込んだ。
人材育成では、業務分野別に基礎・初級・中級・上級の20項目程度のカリキュラムを設定し、1年間かけて実施する研修を25年から始めた。新入社員と既存社員が対象で、各自の能力や希望に合わせて受講できる。
時代の変化を踏まえ、管理職向けの研修も行っている。上意下達ではなく、個々の社員に合わせ厚板向け切断機の世界3大メーカー――ガス・溶接・切断をトータルシステムで提供80カ国以上でモノづくりの進化に貢献若手の主体性を尊重し、やる気を引き出すた共創型の接し方や円滑な仕事の進め方を学ぶ。管理職のマインドセットをアップデートし、若手社員が働きやすい環境をつくることが狙いだ。
また、社員一人ひとりが安心して仕事に集中できる環境づくりにも力を入れている。年間休日は131日(2026年)を確保し、オンとオフのメリハリを大切にしているほか、月1万円の個人負担で利用できる社宅制度を整備するなど、生活面からも社員を支援している。
小池社長は「当社の顧客は社会インフラに関わる企業が多く、いわば縁の下の力持ちだ。そういった分野に若いうちから携わり、経験を積めることが魅力だと考える。能動的・主体的に行動できる人にぜひ入社してほしい」とアピールする。
若手社員に聞く
やりたいことができる職場
大学時代は酸素などの物性について研究しており、当社の事業とマッチしていると感じて入社を決めました。
今はガスを扱う業務を担当しています。顧客企業にガスを供給する設備の提案、手配、設置から実際の供給まで行います。ガス供給設備は法律に基づいて設置するのですが、自治体の担当者との調整では法律の解釈が地域や担当者によって異なるため、細かい調整が必要です。一方、顧客と感覚が一致したときはやりがいを感じます。若手でもやりたいことをやらせてもらえる職場です。
顧客からの感謝がやりがいに
前職は住宅建材を手がける企業で働いていました。大学時代はレーザ切断機による金属の表面加工の研究をしていたため、当社なら同様の分野を深められると考えて中途入社しました。
現在携わっているのはハードウエアの電気設計です。制御盤の内部の機器の選定や機器間をつなぐケーブルの選定・配置などを行います。一番のやりがいは、自分の描いた図面が形となり、実際に動作をしたときです。自分の仕事が顧客から感謝された時はとてもうれしく、達成感を感じます。
会社DATA
所在地 本社:東京都墨田区太平3-4-8 / KOIKEテクノセンター:千葉県千葉市緑区大野台1-9-3
創業 1918年10月15日
代表者 代表取締役社長 小池 英夫
資本金 40億2847万2259円
従業員数 1060人(連結)
事業内容 金属加工機械やシステム、高圧ガスの開発・製造・販売など
拠点 国内29拠点(支店・営業所・工場) 海外5拠点
URL https://koike-japan.com/pages/199/