青瓦台

大韓民国の大統領公邸。一時期は市民公園として使われていた。

青瓦台(せいがだい、朝鮮語: 청와대、チョンワデ)は、ソウル特別市鐘路区に所在する大韓民国大統領府・大統領宮。韓国の国内メディアでは、漢字で略して「」と呼ばれることが多く、英語では、「ホワイトハウス」の例に倣って「ブルーハウス(Blue House)」と呼ばれることがある[1]

青瓦台
청와대/靑瓦臺
250px
青瓦台本館(2022年4月)
青瓦台の位置(ソウル特別市内)
青瓦台
ソウル特別市内の位置
別名
概要
住所 鐘路区世宗路1
自治体 ソウル特別市
大韓民国の旗 大韓民国
座標 北緯37度35分12秒 東経126度58分35秒 / 北緯37.5867度 東経126.9763度 / 37.5867; 126.9763座標: 北緯37度35分12秒 東経126度58分35秒 / 北緯37.5867度 東経126.9763度 / 37.5867; 126.9763
起工 1937年3月22日 (1937-03-22)
トッピングアウト 1939年9月20日 (1939-9-20)
完成 1991年9月4日 (1991-9-4)
開業 1948年 (1948)-2022年5月9日 (2022-5-9)
2025年12月29日 (2025-12-29)(大統領府として)
改築 1989年7月22日 (1989-07-22) – 1991年9月4日 (1991-9-4)
閉鎖 2022年5月10日 (2022-05-10) – 2025年8月1日 (2025-8-1) (市民公園として)
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青瓦台
景福宮の後方に建つ青瓦台
各種表記
ハングル 청와대
漢字 靑瓦臺
発音 チョンワデ
日本語読み: せいがだい
2000年式
MR式
英語
Cheongwadae
Ch'ŏng'wadae
Blue House
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大統領府としての青瓦台は、大統領官邸、大統領執務室、秘書室、警護・随行部門およびその下部組織を擁する、韓国の中枢機関である。北岳山の麓に所在し、1948年の韓国政府樹立以降、大統領府として使用されてきたが、尹錫悦政権下の2022年5月から2025年8月までは執務室の移転に伴い市民公園として一般公開されていた。その後、李在明政権の発足に伴い、再び大統領府として使用されることとなった[2]

概説

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1991年まで使われた青瓦台の大統領官邸

「青瓦台」という名称は、官邸の屋根が青いで葺かれていることに由来する[3]

国防上の理由から、地図上では一部の観光地図を除いて記載されていないことが多かった。航空写真においても、韓国国内向けのものでは加工により消されていたり、ぼかしが入れられている場合が殆どであった。

青瓦台がある地域には、もともと高麗時代に王族が住んでおり、李朝の創始者である李成桂景福宮を建設した。

1948年に大韓民国が成立すると、初代大統領李承晩が、日本統治時代1937年3月に建設された、旧朝鮮総督官邸を景武台(キョンムデ、けいぶだい)の名称で官邸及び公邸として使用し始めた[3]1960年12月に第4代大統領の尹潽善が名称を「景武台」から「青瓦台」に変更した[3]

朴正煕政権下の1968年1月には北朝鮮特殊部隊による青瓦台襲撃未遂事件が起こった[4]

盧泰愚政権時代の1991年、それまでの大統領官邸・公邸(旧朝鮮総督官邸)に隣接して、新たな大統領官邸が建てられ[3]、それまでの大統領官邸・公邸(旧朝鮮総督官邸)は1993年10月に解体された。

青瓦台襲撃未遂事件以降、青瓦台周辺の道路は一般通行が禁止されていたが、金泳三政権になってから、昼間のみ一般通行が可能となった。

文在寅政権によって、2017年6月26日からは周辺道路の一般通行が24時間可能となり、周辺に設置されていた検問も平時は撤去された。写真撮影に関する規制も廃止され、青瓦台を背景に自由に写真撮影できるようになった。

大統領府の移転と青瓦台への復帰

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尹錫悦政権による大統領府の国防部庁舎への移転

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2022年3月9日に執行された第20代大統領選挙で当選した尹錫悦は同年3月20日、大統領府を龍山区にある国防部の庁舎に移転朝鮮語版し、任期が始まる5月10日より青瓦台を国民に開放すると発表した[5]。尹は記者会見で青瓦台を「帝王的権力の象徴」と呼んだ。

青瓦台の権威主義的な外観が国民との距離を遠ざけている印象を与えるとの意見や、広すぎて実務に適していないとの指摘はかねてから存在しており、文在寅政権下でも移転が模索されていた[6]。尹錫悦は大統領選で大統領府の移転を公約として掲げ、「大統領当選後に大統領府の名称を『大統領室朝鮮語版』に改名し、光化門付近の政府ソウル庁舎・外交部庁舎か、龍山区の国防部庁舎内に移転し、首席秘書官や民情首席室を廃止し『官民合同委員会』を中心とした組織に再編する」などの方針を示していた。

結果、政府ソウル庁舎・外交部庁舎への移転計画は警護面や交通規制などの問題を理由に中止され、2022年3月20日に国防部庁舎への移転が正式決定となった。移転後は青瓦台の建物と敷地を公園として国民に開放することとし[7][8][5]、2022年5月10日に大統領府が龍山区へ移転されたことに伴い、同日午前中に青瓦台は一般開放され、同日だけで約26,000人が訪問した[3][4]。そして、5月10日から22日までの間に約500万人が観覧を申請し、このうちの37万7888人が観覧した。同月26日から本館や大統領公邸の内部が一般公開された[9][10]

韓国国籍及び在住外国人に限り、見学の事前予約も可能。外国人は入場の際に、パスポートを提示しなければならない[11]

李在明政権による大統領府の青瓦台への復帰

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2024年12月の非常戒厳に端を発した尹錫悦弾劾訴追に伴い失職した尹に代わって大統領に就任した李在明は2025年6月10日の国務会議(閣議)で、「龍山の大統領府は尹政権のイメージが強い」ことを理由に大統領府を再び青瓦台に戻すことを閣議決定し、2025年8月1日をもって青瓦台の一般公開は中断され[12][13]、同年12月29日より再び大統領府として運用されることとなった[14]。また、正式名称も尹政権期の『大統領室』から『青瓦台』に戻されることとなり、龍山大統領室として使われていた庁舎は再び国防部の庁舎として使用されることが決定した。

なお、一般公開の中断と同時に一帯の撮影も再び禁じられたほか[15]、中断された一般公開については2026年上半期頃に予約者に限って主要施設の外観を見て回る程度の一部観覧という形で再開される見込み[16]

建物など

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  • 本館 - 1991年完成。大統領と夫人の接見室・執務室のほか会議室、食堂など執務機能が集中する建物。約8,500 m2
  • 迎賓館 - 1978年完成。国賓を招いた晩餐会など公式の行事や大規模な会議の会場として使用された。大統領府の龍山への移転後も外賓との晩餐会などで使用されている。
  • 与民館 - 大統領を支えるスタッフの執務室。3棟のビルで構成。このうちの「与民1館」には盧武鉉李明博政権期に臨時の大統領執務室が設置されていた。臨時の大統領執務室は文在寅政権期に入ると常設となり、李在明政権でも「与民1館」に大統領執務室が設置されている[17]
  • 常春斎 - 本来は朝鮮総督官邸の和風別館である梅花室があったが、1977年に撤去され洋風に改築されたものを1983年に再び新築した。「純韓国風」の建物で首脳会談が開かれることもある。
  • 緑地苑 - 庭園。
  • 大統領公邸 - 大統領一家の公舎。本館から徒歩で約9分[3]
  • 春秋館 - 1990年完成。記者会見場があった。

衛星写真

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大統領府として使われていた2005年Googleが提供している衛星航空写真地図サービスであるGoogle Earthに、青瓦台の主要施設の画像が表示されていることが発覚した。これについて青瓦台側は、アメリカ合衆国連邦政府など関係機関と対応を協議していると発表している。

Google マップでも航空写真表示では、青瓦台の主要施設の画像が表示されている(地図表示ではこの部分は空白となっている)。韓国の法律では、人工衛星で撮影された主要保安施設や軍事基地の写真を公開することは禁止されており、同様のサービスを提供しているネイバー地図においては、青瓦台周辺の画像をぼかす処理をしていた。

2022年に大統領府が移転したことから、上記の制限は解除され、ネイバーも含めて衛星写真が公開されるようになったが、2025年12月29日より再び大統領府として運用されることとなったため、再度規制されることになった。(地図は空白、衛星写真は森林画像を合成)

脚注

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  1. “South Korea’s presidential office moving back to traditional Blue House | The Asahi Shimbun: Breaking News, Japan News and Analysis”. The Asahi Shimbun (アメリカ英語). 2026年6月17日閲覧.
  2. 韓国大統領府「青瓦台」に再移転 “非常戒厳”の負のイメージ払しょく狙い”. TBS NEWS DIG (2025年12月30日). 2026年6月17日閲覧。
  3. 1 2 3 4 5 6 “「長生きしてよかった」…74年ぶり青瓦台開放に市民が喚声”. 中央日報. 2022年5月11日. 2022年5月11日閲覧.
  4. 1 2 “「帝王的」青瓦台からソウル中心部へ…尹錫悦氏が新大統領府で業務開始、国民との近さアピール”. 読売新聞. 2022年5月10日. 2022年5月11日閲覧.
  5. 1 2 윤석열 “5월10일부터…대통령 집무실, 용산 국방부 청사로”(尹錫悦「5月10日から大統領執務室を龍山国防部庁舎に」) (朝鮮語). www.hani.co.kr (2022年3月20日). 2022年3月20日閲覧。
  6. “韓国次期大統領、執務室を国防省に移転”. 日本経済新聞. 2022年3月21日. 2022年3月21日閲覧.
  7. 尹錫悦氏 青瓦台を「大統領室」に改め「官民合同委員会」設置へ”. KBS WORLD (2022年3月11日). 2022年3月16日閲覧。
  8. 尹政権、大統領執務室の移転地候補として国防省庁舎が有力”. 韓国経済新聞国際版 (2022年3月16日). 2022年3月16日閲覧。
  9. “青瓦台の本館内部公開”. 聯合ニュース. 2022年5月26日. 2022年5月31日閲覧.
  10. “韓国青瓦台の迎賓館や春秋館内部を追加公開”. wowkorea. 2022年5月23日. 2022年5月31日閲覧.
  11. 青瓦台”. konest. 2024年3月6日閲覧。
  12. “韓国大統領府 再び青瓦台に イ・ジェミョン政権が閣議決定”. NHKNEWSWEB. 2025年6月10日. 2025年6月22日閲覧.
  13. 韓国「青瓦台」に100m超の行列 李在明政権が大統領府を戻す方針 「生きているうちに見に来た」“駆け込み見学客”急増
  14. 大統領室の公式名称、29日から再び「青瓦台」へ
  15. 青瓦台の撮影は1日から禁止に | 韓国の旅行ニュース”. www.konest.com. 2025年11月4日閲覧。
  16. 韓国、また青瓦台時代へ…李大統領が本館執務室でなく「与民館」で勤務する理由(1)”. 中央日報日本語版 (2025年12月27日). 2025年12月27日閲覧。

関連項目

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外部サイト

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