大岩(52):スタジアム通りでアイス屋を営む、不器用で口の悪いおじさん。
サポーター(24):地元サッカーチームの熱狂的なファン。マフラーを巻いている。
サポーター:(凍えながら歩いてきて)うわー、今日も寒いな!キックオフまでまだ時間あるし、何か温かいものでも……って、おい親父!なんでこんな極寒の中でアイス売ってんだよ!
大岩:(腕を組んでガタガタ震えながら)うるせえ!年中無休が俺のモットーなんだよ!……でもな、ぶっちゃけ朝から1個も売れねえんだ!どうすりゃ売れるか分かんなくて、俺が一番イライラしてんだよ!
サポーター:逆ギレかよ!そりゃ冬に冷たいバニラアイスなんて誰も買わないだろ。少しは頭使えよ!
大岩:頭は使ってるわ!さっき「お買い得!氷増量サービス!」ってPOP書いたら、誰も見向きもしなくなったわ!
サポーター:さらに冷やしてどうするんだよ!嫌がらせか!せめてコタツを用意するとか、温かいお茶をセットにするとかさぁ!
大岩:あぁん?!うちの極上アイスにお茶を混ぜろってか?そんな邪道なことできるか!お前、俺の職人魂を侮辱する気か!
サポーター:誰も混ぜろなんて言ってないだろ!アドバイスしてやってんのに何で怒るんだよ!だから売れ残るんだよ!
大岩:なんだと!おい、お前がサポートしてるチーム、先週の試合で0-3でボロ負けしたらしいじゃねえか!そんな暇あるならチームの応援の心配してろ!
サポーター:関係ないだろ、それは!今その話はすんなよ!傷口に塩を塗るな!
大岩:塩?……お、そうだ!「塩バニラアイス」に改名したら売れるんじゃねえか!?
サポーター:余計に寒々しいわ!もういい、俺はスタジアムに行く!
大岩:待てコラ逃げるな!この寒空の下、アイスを食うのが本当のサポーターだろ!1個買ってけ!
サポーター:買うわけないだろ!……あ、でも待てよ。試合に「勝つ(カツ)」にかけて、アイスにカツを乗せたら……。
大岩:それだーーーっ!!よしお前、今すぐカツを揚げてこい!
サポーター:なんで俺が仕込み手伝わなきゃいけないんだよ!もう試合始まるから行くわ!じゃあな!
大岩:(走り去るサポーターの背中に向かって)おい!次までに「ホット・カツ・アイス」開発しとくからな!絶対買いに来いよ!……あ~、寒。[幕]