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マテウス移籍が失速原因…だけとも言い切れない 『名古屋対策』に間に合わなかった新戦術【J1名古屋2023年総括】

2023年12月6日 05時00分

◇不測の2年目(中)
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 失速の主因は、間違いなくFWマテウスのサウジ移籍だ。マテウス自身は21試合で4得点3アシストだが、周囲に及ぶ影響は甚大だった。FWユンカーはマテウス移籍以前に21試合12得点、移籍以降は12試合4得点。FW永井に至ってはマテウスがまだいた7月8日の横浜M戦(豊田ス)を最後に得点がなかった。

浦和戦の後半、シュートを外し悔しがるマテウス。右は永井

 速攻時に三角形が崩れれば、ゴールへの道筋はより単純化する。長谷川健太監督も、ユンカーについて「マテウスが抜けてマークが厳しくなり、難しくなった時期もあった」と漏らした。
 だが、マテウスだけが理由と言い切れない数字もある。リーグ前半17戦の1試合あたり勝ち点は「2」を超えたのに対し、後半17戦は同「1」。リーグ後半の冒頭4試合はマテウスも出場しているが、1勝1分2敗の勝ち点4と、以降の後半戦と変わらないペースで推移している。
 変化しているのは、1試合あたりのパス本数。リーグ戦が折り返した6月12日時点で、グランパスの1試合平均パス本数はJ1で2番目に少ない367・8本。最終節前の11月26日時点では、同14位の386・5本に増加した。第33節までの後半16戦の平均は406・4本となる。
 ボールを持たせ、フィールド選手10人のバランスが前に傾きすぎた瞬間、守備の集中が緩んだ瞬間を狙う。相手が練った「名古屋対策」に、ボールを保持し引いた相手をこじ開ける”プランB”は間に合わなかった。
 象徴的だったのは、11月11日の第32節・湘南戦の0―1で迎えた前半23分。リスクを承知でMF米本、DF中谷をハーフウエーライン付近に残し攻め立てたところを速攻で突かれ、追加被弾。米本は「いい感じに攻められていたのか、攻めさせられていたのか」とこぼした。速攻からの被弾は、3日の最終・柏戦の後半26分にもあった。
 遅攻を巡る試行錯誤は、終盤まで続いた。背番号10を抜かれながらも結果を残し、MF森島ら新戦力とともに新戦術を完成させる。「言うは易し」とさえ言えない困難が、シーズン中のチームに降り掛かっていた。

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