特集
歌舞伎
歌舞伎ファンの皆さんへ、人気俳優のインタビューや最新ニュース、担当記者による舞台評などをお伝えします。
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歌舞伎 歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」 勘九郎、間と動き切れ抜群=評・小玉祥子
2025/2/12 13:02 713文字昼の序幕は巳之助の不破、隼人の名古屋、児太郎の茶屋女房の花形による清新な「鞘当」。 中幕の「醍醐の花見」(中内蝶二作、今井豊茂脚本)は梅玉の秀吉、魁春の北の政所、雀右衛門のまつ、福助の淀殿らによる舞踊劇。美術(前田剛)が美しい。 最後が「きらら浮世伝」(横内謙介脚本・演出)。貸本屋の手代から版元と
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役の履歴書
武智光秀 大罪人から亡霊まで=小玉祥子
2025/1/20 13:03 1065文字天正10(1582)年6月2日未明の「本能寺の変」で織田信長を討った明智光秀。現代では悲劇の武将として人気も高いが、江戸期には人形浄瑠璃や歌舞伎などで主君殺しの大罪人に描かれることが多かった。本名をはばかり、武智光秀の名で登場する作品がほとんどである。 「新春浅草歌舞伎」(26日まで)で武智光秀を
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歌舞伎 「新春浅草歌舞伎」「双仮名手本三升 裏表忠臣蔵」 團十郎が4役早変わり=評・小玉祥子
2025/1/16 13:14 749文字若手花形が中心の「新春浅草歌舞伎」は出演者の多くが入れ替わっての清新な顔ぶれ。2部制で両方の部に「絵本太功記 尼ケ崎閑居」がある。1部の光秀は染五郎。低音が響き、出に凄(すご)みがある。鶴松の操、鷹之資の十次郎、玉太郎の初菊、左近の正清。2部の光秀は橋之助で緻密な作りで姿も良い。莟玉の操、鶴松の十
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歌舞伎 国立劇場「彦山権現誓助剣」 「瓢簞棚」立ち回りに緊迫感=評・小玉祥子
2025/1/15 13:10 719文字国立劇場らしい通し上演。上演頻度の高い「毛谷村」に原作に基づく前後と脚色を加え筋を通した。国立劇場文芸研究会補綴(ほてつ)。 大名・郡家の剣術指南、吉岡一味斎(又五郎)が同家中の京極内匠(彦三郎)に闇討ちされる。一味斎を師とする武芸家の六助(菊之助)が婚約者で一味斎の娘、お園(時蔵)らと敵討ちを果
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歌舞伎 歌舞伎座「寿初春大歌舞伎」 「封印切」鴈治郎に愛嬌=評・小玉祥子
2025/1/9 13:03 774文字昼の序幕が「寿曽我対面」。巳之助の五郎は若々しい強さがあり、形が美しい。米吉の十郎は優美な中にりんとしたところがある。芝翫の工藤が貫禄。 続いて夢枕獏作「陰陽師」が原作の2本。「大百足(むかで)退治」(今井豊茂脚本)は藤原秀郷(松緑)が大(おお)蜈蚣(むかで)の魂魄(こんぱく)(坂東亀蔵)を退治。
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歌舞伎 南座「吉例顔見世興行」 壱太郎、萬太郎ら若手奮闘=評・畑律江
2024/12/18 13:09 881文字師走の京都を彩る南座の顔見世が上演中。負傷により休演となった愛之助に代わって昼、夜の部で舞踊劇に挑んだ壱太郎、萬太郎をはじめ、若手花形たちが奮闘している。 昼はオペラをもとにした新作「蝶々(ちょうちょう)夫人」から。夫ピンカートンの帰りを待つ芸者お蝶(壱太郎)は凜(りん)としたたたずまい。女将お駒
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役の履歴書
富姫 白鷺城、伝説の魔物=小玉祥子
2024/12/16 13:01 1182文字白く輝く大天守と三つの小天守がそびえる姫路城(兵庫県姫路市)は白鷺(しらさぎ)城とも呼ばれて古くから人々を魅了し、魔物がすむという伝説も生まれた。代表格が「小坂部(おさかべ)(小刑部、刑部、長壁とも)伝説」である。 諸説ある。一つは光仁天皇の世に陰謀に連座した廃皇太子の他戸(おさべ)親王にまつわる
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歌舞伎 歌舞伎座「十二月大歌舞伎」 獅童、葛藤をユーモラスに=評・小玉祥子
2024/12/12 13:06 764文字3部制で1部が再演を重ねる絵本が原作の「あらしのよるに」(きむらゆういち原作、今井豊茂脚本、藤間勘十郎演出・振り付け)。嵐の夜に互いの属性に気付かずに知り合ったオオカミのがぶ(獅童)とヤギのめい(菊之助)の友情に発する物語。だんまりなど歌舞伎技法を取り入れ、竹本と長唄がオオカミとヤギのそれぞれを象
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草津温泉に市川團十郎さん 湯畑で歌舞伎舞踊 ユネスコ登録後押し /群馬
2024/12/10 05:04 322文字県は7日、温泉文化の国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産への登録を目指す取り組みの一環として、歌舞伎俳優の市川團十郎白猿さんによる特別公演を草津町の草津温泉で開催した。團十郎さんは歌舞伎舞踊「延年之舞」を披露した。 観光名所「湯畑」の広場に会場を設置。温泉の匂いが立ちこめ、雪がちらつく中、
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役の履歴書
土手のお六 悪婆すごみの典型=小玉祥子
2024/11/18 13:14 1021文字「土手のお六」は悪婆の典型である。「婆」が付くが高齢者ではない。悪事をも辞さないすごみのある女性の役である。名女形の四世岩井半四郎(1747~1800年)が寛政4(1792)年に演じた三ケ月おせんが最初と言われる。 通称「お染の七役」の「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」(鶴屋南北
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明治座「十一月花形歌舞伎」 勘九郎鮮やかな変化=評・小玉祥子
2024/11/14 13:11 744文字昼の序幕が「車引」。周囲を圧する大きさのある彦三郎の松王丸、荒事らしく力強い橋之助の梅王丸、若衆らしい花のある鶴松の桜丸と三様の個性が柄に合う。楽善の時平。 中幕が「一本刀土俵入」(長谷川伸作、村上元三演出)。勘九郎の茂兵衛は打ちしおれた取り的(力士)から、シャープな渡世人へと鮮やかな変わり方を示
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役の履歴書
工藤祐経 曽我に討たれる花形=小玉祥子
2024/10/21 13:03 1110文字十郎、五郎の曽我兄弟が父の敵である工藤祐経(すけつね)を討った鎌倉時代の敵討ちを題材にした能、人形浄瑠璃、歌舞伎など多岐にわたる古典芸能の作品群を「曽我物」と呼ぶ。 祐経は安元2(1176)年10月、兄弟の父で同族の河津祐泰を人を使って討たせた。領地争いが原因と言われる。 時を経て建久4(1193
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歌舞伎 歌舞伎座「錦秋十月大歌舞伎」 菊之助の俊寛 妻への思い=評・小玉祥子
2024/10/10 13:23 844文字昼の序幕が「俊寛」。菊之助の俊寛は都に残した妻への思いが根底にあり、丹波少将と千鳥の恋を寿(ことほ)ぐ姿にもはっきりと表れる。赦免船を呆然(ぼうぜん)と見る姿からは諦めとも精神の浄化とも受け取れる思いがにじむ。吉太朗の千鳥は素朴さと情熱があり、歌六の丹左衛門、又五郎の瀬尾、萬太郎の少将、吉之丞の康
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歌舞伎 歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」 菊之助の玉手御前に色気=評・小玉祥子
2024/9/19 13:08 784文字昼の序幕が「摂州(せっしゅう)合邦辻(がっぽうがつじ) 合邦庵室」。菊之助の玉手御前は父・合邦(歌六)の詰問にたじろがず、俊徳丸(愛之助)を「寝た間も忘れたことがない」と言い放つ姿に若さの華やぎと色気がある。浅香姫(米吉)の前での情念の爆発が凄絶(せいぜつ)で真実を打ち明けての最期の哀れさを際立た
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歌舞伎 国立劇場「夏祭浪花鑑」 呼吸の合った立ち廻り
2024/9/11 13:07 719文字閉場により場を移しての国立劇場歌舞伎公演。夏の情景を巧みに取り込んだ浄瑠璃物の傑作をほとんどが初役の清新な配役で上演している。最初に片岡亀蔵の解説がある。 主人公の俠客(きょうかく)・団七九郎兵衛は彦三郎。序幕が「住吉鳥居前」。それまでの髭(ひげ)の伸びた囚人姿を一変させ、首抜きの浴衣となり、髪結
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容姿と演技で700人魅了 團十郎襲名公演 成田 /千葉
2024/9/8 05:28 399文字歌舞伎の名門「成田屋」の十三代目市川團十郎白猿さん(46)の襲名披露公演が成田市土屋の成田国際文化会館であった。華のある容姿と端正な演技で集まった約700人を魅了した。 名跡は2013年に十二代が死去して以来途絶えていたが、長男が海老蔵を改め約7年ぶりに復活。22年11月以降、全国で襲名披露公演が
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中村屋一門錦秋歌舞伎 10月、宮崎と鹿児島で特別公演
2024/8/30 05:05 532文字<金曜カルチャー 西部発 文化&芸能> 中村勘九郎、中村七之助兄弟ら、中村屋一門による錦秋歌舞伎特別公演が10月、宮崎と鹿児島である。2人の父・十八代目中村勘三郎の十三回忌追善興行。トークコーナーと、「若鶴彩競廓景色(わかづるいろどりきそうさとげしき)」と「舞鶴(ぶかく)五條橋」の2演目から成る。
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役の履歴書
紅翫 商家捨てて芸道精進=小玉祥子
2024/8/19 13:10 1120文字大都市の江戸では店を持たずに商品を売り歩く「棒手振(ぼてふ)り」と呼ばれる行商人や角兵衛獅子などの大道芸人が多く往来した。その風俗は歌舞伎や舞踊に取り込まれ、舞台に当時の香りを吹き込んでいる。 東京・歌舞伎座で25日まで上演中の「八月納涼歌舞伎」にはいろいろな棒手振りが登場する。第1部の「ゆうれい
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歌舞伎 八月納涼歌舞伎 巳之助、児太郎ユーモラスに=評・小玉祥子
2024/8/14 13:02 796文字3部制で1部の序幕が「ゆうれい貸屋」(山本周五郎原作、矢田弥八脚色、福助監修、大場正昭演出)。おけ屋の弥六(巳之助)は芸者の幽霊染次(児太郎)と幽霊を貸す商売を始める。怠惰だが性根の良い弥六と嫉妬深く明るい染次のやりとりを巳之助と児太郎が緩急を付けユーモラスに聞かせた。勘九郎の実直な幽霊がおもしろ
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歌舞伎 大阪松竹座 七月大歌舞伎 萬壽、品格失わぬ表現=評・畑律江
2024/7/22 13:08 833文字大阪松竹座の七月大歌舞伎では、初代中村萬壽(まんじゅ)、六代目中村時蔵の大阪での襲名披露が行われ、同時に時蔵の長男の五代目中村梅枝も初舞台を踏んだ。父・子・孫の3代が、上方ゆかりの古典演目に挑んでいる。 萬壽の披露狂言は昼の「恋女房染分手綱(こいにょうぼうそめわけたづな)」。近松門左衛門の浄瑠璃の
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