連載
社説
社説は日々、論説委員が議論を交わして練り上げます。出来事のふり返りにも活用してください。
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米価高騰で備蓄放出 対症療法で食を守れるか
2025/2/13 02:01 856文字投機的な動きが原因で米価がつり上げられているなら、政府の介入も必要になる。ただ、対症療法に終始するようでは、主食の安定供給に影を落とす。 政府が備蓄米の放出に乗り出す。凶作や災害時に限るルールを見直し、流通に支障が生じた場合も可能にした。備蓄米を価格の安定化にも活用する方針転換だ。 放出を求める声
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石破内閣の地方創生 焼き直しでは成功しない
2025/2/13 02:01 860文字これまでと同じ手法では、また壁に突き当たる。国がすべきことは何か、より突きつめて検討する必要がある。 地方の人口減少対策である「地方創生」の施策の練り直しを政府が進めている。石破茂首相は政権の重要課題に位置づけ、国から地方に配分する交付金の倍増などを打ち出している。 政府は2014年から10年間に
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戦後80年 女性の社会進出 見えない壁取り除きたい
2025/2/12 02:00 1640文字日本のシングルマザーを取り巻く状況は厳しい。就業率は9割近くと国際的に見ても高いが、収入は低い。パートや派遣など低賃金の非正規雇用で働かざるを得ない人が多いからだ。 こうした現状を描き出したのが、オーストラリア出身の映画監督ライオーン・マカボイ氏による長編ドキュメンタリー「取り残された人々:日本に
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トランプ2.0 マスク氏の振る舞い 欧州への挑発が目に余る
2025/2/11 02:00 868文字トランプ米大統領の威光をかさに着て、国内のみならず、同盟国のリベラル派も「攻撃」し、政治対立を海外に広げている。傍若無人な振る舞いだ。 米起業家でトランプ氏の「盟友」を自任するイーロン・マスク氏の言動である。自らがオーナーの短文投稿サイトX(ツイッター)上で、欧州各国の政権トップをおとしめるような
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インバウンド過去最多 生活環境守る視点忘れず
2025/2/11 02:00 873文字来訪者の数を増やすだけでは、観光地としての魅力を損ないかねない。暮らしを守り、地域の価値を高める施策に軸足を移す時だ。 2024年の訪日外国人(インバウンド)が約3687万人となり、過去最多を更新した。コロナ禍の影響が払拭(ふっしょく)される中、円安で日本への旅行に値ごろ感が強まったことも追い風と
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石破・トランプ初会談 理念かすむ実利優先外交
2025/2/9 02:01 882文字安全保障と経済の両面で日米同盟を強化することでは一致した。だが、「法の支配」や国際ルールの重要性を確認できたか疑わしい。 石破茂首相が訪米し、トランプ大統領と初めて会談した。トランプ氏が「素晴らしい首相」と持ち上げると、石破氏は「誠実で強い使命感を持つ」と応じるなど個人的な信頼関係の構築を強調した
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就活ハラスメント 根絶へ実効性ある対策を
2025/2/9 02:01 856文字社会へ歩み出そうとする若者の人権を踏みにじり、将来の可能性を奪う行為は断じて許されない。 就職活動に取り組む学生らへのセクシュアルハラスメントを防ぐため、企業に対策を義務付ける男女雇用機会均等法改正案が通常国会に提出される。 相談窓口の整備、従業員への周知や啓発などが必要となる。 就活やインターン
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国会の予算案審議 骨太の議論こそ聞きたい
2025/2/8 02:01 844文字政府予算のチェックは、国会の重要な役割だ。限られた財源をいかに賢く使って国民生活の向上につなげるか。腰を据えた議論が欠かせない。 少数与党の石破茂政権は、野党の協力がなければ来年度予算案を成立させられない。従来、予算審議は政府案を原案のまま可決するのが通例で、形骸化していた。今回は、どのような修正
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鳥インフルの拡大 リスクの高まりに警戒を
2025/2/8 02:01 846文字鳥インフルエンザの感染が、今冬も広がっている。実態を踏まえた対策強化が求められる。 昨秋以降、14道県の51施設でニワトリなどの感染報告があり、934万羽が殺処分された。過去最多の1771万羽に上った2年前に迫るペースだ。 5年連続で国内感染が確認されたのは初めてだ。欧米や韓国でもここ数年、拡大傾
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トランプ2.0 「ガザ所有」発言 尊厳を踏みにじる傲慢さ
2025/2/7 02:01 828文字あたかも米国が占領統治に当たり、パレスチナ人を追放するかのような発言だ。耳を疑う。 トランプ米大統領がパレスチナ自治区ガザ地区を「長期的に所有」する意向を表明した。全住民を「恒久的」に移住させるという。 ガザの開発を米国が担い、地中海の保養地リビエラのような観光地にする構想も示した。 パレスチナ人
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国連女性委に拠出拒否 日本外交への信頼損ねる
2025/2/7 02:01 832文字言い分が通らないからといって対抗措置に出る。国連を重視してきた日本外交の姿勢と矛盾する振る舞いである。 政府が、国連への拠出金を女性差別撤廃委員会の活動に使わせない措置を取った。皇位継承を男系男子に限る皇室典範を委員会が批判し、改正を勧告したからだ。 委員会は昨秋、女性差別撤廃に関する日本の取り組
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トランプ2.0 関税振りかざす外交 秩序損なう経済的威圧だ
2025/2/6 02:00 871文字大国が高関税を振りかざして相手を脅し、要求を押し通す。こんな自国優先主義がまかり通れば、国際秩序が損なわれ、世界に混乱が広がるばかりだ。 トランプ米大統領が、メキシコとカナダに25%の関税を課す大統領令に署名した。だが発動直前に両国の首脳と協議し、1カ月延期することを決めた。不法移民と薬物に対する
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読書感想文コンクール 人生を開く本との出合い
2025/2/6 02:00 887文字本との出合いは新たな世界への扉を開く。今年も読書の醍醐味(だいごみ)を感じさせる力作がそろった。 第70回青少年読書感想文全国コンクールの入賞者が決まった。全国学校図書館協議会と毎日新聞社の主催で毎年開かれている。全国の小中高校と海外日本人学校から約231万編の応募があった。 中学校の部で内閣総理
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下水管破損で陥没 老朽インフラの点検急務
2025/2/5 02:01 889文字インフラの老朽化が進み、経済や暮らしの大きなリスクとなっている。地域の安全を守る体制の強化が急がれる。 埼玉県八潮市で県道が陥没し、走行中のトラックが転落した事故から1週間が過ぎた。地下10メートルにある下水道管に穴が開いて土砂が流れ込み、地中に空洞ができた。建設から40年を超えるコンクリート製の
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ハゲタカ誌の偽論文 学術界挙げて対策徹底を
2025/2/5 02:01 861文字学術論文は、発見や技術開発の成果を世に送り出すという重要な役割を担う。「フェイク論文」が横行すれば、学問の健全な発展を損なうだけでなく、暮らしにも影響を及ぼしかねない。 環境分野の学術誌に、生成AI(人工知能)によって捏造(ねつぞう)された論文が掲載されていた。2023年以降、少なくとも日本人3人
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トランプ2.0 「非核化」の提案 米国の行動が求められる
2025/2/4 02:01 857文字問われるのは本気度だ。具体的な行動で示す必要がある。 トランプ米大統領がロシアや中国と核軍縮に向けた協議を開催することに意欲を示した。先月、オンラインで参加した国際会議で「非核化も可能だ」と述べた。 まず米露が先行して核兵器削減に取り組み、後に中国が加わるシナリオを想定しているようだ。 ウクライナ
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政治とカネの首相答弁 不信解消する気あるのか
2025/2/4 02:01 824文字「政治とカネ」を巡る問題について、国民の不信を解消するつもりはあるのか。石破茂首相の衆院予算委員会の答弁からは、その意欲がまったくうかがえない。 政治資金に関して、今国会の最大の焦点は企業・団体献金の扱いだ。昨年の臨時国会では政策活動費を全面廃止する改正政治資金規正法などが成立したが、この課題は積
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戦後80年 曲がり角の社会保障 安心守る仕組み再構築を
2025/2/3 02:00 1637文字戦後の社会保障制度は、家族と企業が果たす役割を前提に形作られてきた。だが、社会のあり方が大きく変わり、制度の持続性が問われている。 北九州市中心部で1月、福祉施設「希望のまち」の起工式が行われた。計画を進めるのは、生活困窮者支援に取り組むNPO法人「抱樸(ほうぼく)」だ。2026年夏のオープンを目
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森友文書で国敗訴 真相解明へ直ちに開示を
2025/2/2 02:02 839文字かたくなに情報公開を拒み続けてきた理不尽な姿勢を、厳しく批判する司法判断だ。 学校法人森友学園に国有地が破格の安値で売却され、決裁文書が改ざんされた問題で、関連文書を不開示とした財務省の決定を取り消す判決を大阪高裁が出した。 訴えていたのは、改ざんに加担させられて自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さ
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点字誕生から200年 活用広げる環境整えたい
2025/2/2 02:01 850文字視覚に障害のある人たちが読み書きできる「点字」が誕生して、今年で200年になる。 考案したのは、フランス人のルイ・ブライユだ。幼くして失明し、盲学校の生徒だった16歳の時、六つの凸点を組み合わせて文字を表す点字を発明した。 アルファベットや50音だけでなく、数字や音符も表せる。130余りの言語に対
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