本・書評
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言葉の幅を広げ続けた谷川俊太郎さん 詩人だから感じる存在の大きさ
2024/12/8 13:00 2735文字現代日本を代表する詩人、谷川俊太郎さんが11月13日に92歳で死去しました。1952年に詩集「二十億光年の孤独」でデビューして以来、現代詩の一線に立ち続け、絵本や作詞、翻訳でも広い世代に親しまれた谷川さん。多様な「私」を表現した、その作品世界との出会いから、ユニークな創作と人物像、訃報の衝撃まで、
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散歩重ねて琵琶湖1周 86歳で達成、湖国の人情に触れ 来年4月「歩記」出版へ 大津 /滋賀
2024/12/8 05:01 968文字京都大山岳部OBで元会社社長、大津市の原田道雄さん(87)がてくてく歩いて昨年琵琶湖を1周した。かかった期間は約1年。国内外の数々の山を登ってきた原田さんだが、古里の琵琶湖を1周したのは初めて。「自転車で1周するビワイチの人には多く会ったが、歩いて1周という人はいなかった。年寄りの私でも歩けると証
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作家・中村文則さん 「自らの生きにくさと暗さ」創作の源探る
2024/12/7 16:00 2616文字作家の中村文則さん(47)がこのほど、小説「列」(講談社、2023年11月刊)で野間文芸賞を受賞した。同賞はキャリアを重ねた作家に贈られる歴史ある文学賞として知られる。デビューから22年。「列」は節目となる特別な作品であり、「原点回帰」であると話す。中村さんにとっての「原点」とは何だろうか。【棚部
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BeMe 私らしく
「元祖わきまえない女」の素顔 新発見の日記につづった怒りと日常
2024/12/7 11:00 3430文字「『元祖わきまえない女』というタイトル案を最初は考えていたんです」。日本語研究者の遠藤織枝さん(86)は語る。 今秋刊行されたその本は「寿岳章子(じゅがくあきこ) 女とことばと憲法と」(かもがわ出版)。日本語に潜む「女らしさ」のレッテルに早くから異を唱えた国語学者、寿岳章子(1924~2005年)
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平凡すぎる男が考える組織の泳ぎ方とは 安岡章太郎「遁走」を読む
2024/12/7 08:00 2146文字在学中に召集され、旧満州(現中国北東部)に送られた経験を持つ作家、安岡章太郎(1920~2013年)の作品から戦争を考えたい。戦争文学を研究する花園大文学部准教授、高橋啓太さん(47)がまず薦めたのは「遁走(とんそう)」。【三角真理】 主人公である2等兵、安木加介の旧満州での軍隊生活を描いた作品。
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今週の本棚
東直子・評 『地球の恋人たちの朝食』=雪舟えま・著
2024/12/7 02:02 2039文字(左右社・3300円) ◇絶望の反転 至る所に胸打つフレーズ 目次を見ると、「海の底のハイウェイ」「モーニング・ソルティー・キッス」「心臓に住むガブローシュ」などの魅惑的なタイトルに必ず日付がついている。これは、各話がウェブ日記として掲載された日を示している。表題となった冒頭の「地球の恋人たちの朝
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今週の本棚・情報
ベストセラー
2024/12/7 02:02 181文字<1>人生の壁(養老孟司著・新潮社) <2>荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方(荒木飛呂彦著・集英社) <3>加耶/任那 古代朝鮮に倭の拠点はあったか(仁藤敦史著・中央公論新社) <4>日ソ戦争 帝国日本最後の戦い(麻田雅文著・中央公論新社) <5>カラー版 西洋絵画のお約束 謎を解く50のキー
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今週の本棚・著者に聞く
角幡唯介さん 『地図なき山 日高山脈49日漂泊行』
2024/12/7 02:02 821文字◆角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)さん (新潮社・2310円) ◇未来を予期しない、できない 探検家である著者が、地図を持たずに北海道・日高の山に登った日々を記録したノンフィクションだ。これまでチベットや北極など世界各地を冒険してきたが、10年ほど前から<脱システム>、すなわち情報化と消費経済が過度
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今週の本棚・編集後記
作家の開高健を初めて知ったのは…
2024/12/7 02:02 162文字作家の開高健を初めて知ったのは、ウイスキーのテレビCMでした。1989年の死去前まで出演を続けており、幼い私は開高を「俳優」だと思っていましたが、とんだ間違い。以後は彼の著作も手に取りました。「なつかしい一冊」で紹介した『珠玉』は、紙の本は入手が困難ですが、現在は電子書籍版で購入できます。(代)<
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今週の本棚・話題の本
『クッキングパパ』=吉村和真
2024/12/7 02:02 810文字今回取り上げるのは、うえやまとち『クッキングパパ』171巻(講談社・759円)。料理が大好きな主人公・荒岩一味の家族を中心に、会社仲間や友人、隣人など、料理が人の輪を広げていく。実に心温まる物語だ 1985年の連載開始から来年で40周年、話数は1700を超える。なぜそんな長寿作の近刊をこのタイミン
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今週の本棚
『島原リバティ』=タケチオサム・著
2024/12/7 02:02 525文字(文芸社・990円) 物語は九州北部のキリシタン禁制への反発から島原と天草の一揆(いっき)へと展開し、島原南部の原城からの抵抗で幕を閉じる。よく知られた反乱の「浮かぶ氷山」のような事実の断片は、考証を経ながら、フィクションによって「海面下」でつなげられた。 乱や一揆に「自由」を示す<リバティ>を充
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今週の本棚・なつかしい一冊
金承福・選 『珠玉』=開高健・著
2024/12/7 02:02 1026文字◆金承福(キム・スンボク)・選 (文春文庫(電子版)407円) 私が留学生として来日したのは1991年9月。日本語学校であいうえおから学ぶスタートとなった。台湾や中国、韓国、ドイツからやって来た年代もバラバラの学生たちの共通語は日本語。舞踏家の大野一雄さんに学びにきた哲学専攻のクラスメイトがいれば
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今週の本棚
『悪文の構造』=千早耿一郎・著
2024/12/7 02:02 508文字◆千早耿一郎(こういちろう)著 (ちくま学芸文庫・1210円) 読みにくい文章を書かないための実用書である。悪文の実例がたくさん出てくる。法律の文章もあれば新聞記事もある。有名な作家の小説もある。なぜその文章が読みにくいのか、文章の構造を図解で示す。 悪文にはいくつかのパターンがある。たとえば、主
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今週の本棚
中島岳志・評 『ひっくり返す人類学 生きづらさの「そもそも」を問う』=奥野克巳・著
2024/12/7 02:02 1327文字(ちくまプリマー新書・946円) ◇「当然」を見つめ直す、閉塞感への処方箋 著者は日本を代表する文化人類学者。東南アジア地域を主なフィールドワークの対象としてきた。フィールドワークは単なる異文化の観察ではない、その土地の人々と共に暮らすことを通じて人間の本質に迫るのだ。 そこでは、私たちの日常の中
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今週の本棚
養老孟司・評 『異能機関 上・下』=スティーヴン・キング著、白石朗・訳
2024/12/7 02:02 1321文字(文藝春秋・各2970円) ◇異常な世界、そこに不思議な現実感が キングの新刊は機会があると紹介することにしている。本書は昨年の刊行だが、私は日ごろやや硬い翻訳本を取り上げることが多く、本書の紹介が遅くなった。キングの作品は好きなのだが、好きな作品の紹介は楽しく、仕事の息抜きにもなる。 キングはじ
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今週の本棚
大竹文雄・評 『就職氷河期世代 データで読み解く所得・家族形成・格差』=近藤絢子・著
2024/12/7 02:01 1323文字(中公新書・968円) ◇働き盛り世代でも格差、将来の不安 就職氷河期世代に関する次の説明は正しいだろうか。(1)「氷河期世代は、卒業後長期にわたって雇用が不安定で年収も低い」、(2)「氷河期以降の景気回復期の卒業世代は雇用が安定し年収が高い」、(3)「氷河期世代の出生率は低い」。多くの人の答えは
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今週の本棚
『華麗なる野鳥飛翔図鑑』
2024/12/7 02:01 114文字日本の野鳥161種が飛ぶ姿を写真で紹介する『華麗なる野鳥飛翔図鑑』(齊藤安行解説、小堀文彦写真・イラスト、髙野丈写真・文一総合出版・2640円)より。写真は2羽で小競り合いをするコサギ。鳥が飛ぶ仕組みや飛翔写真撮影術の解説も。
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今週の本棚
村上陽一郎・評 『物理学の誕生 山本義隆自選論集Ⅰ』=山本義隆・著
2024/12/7 02:01 1387文字(ちくま学芸文庫・1430円) ◇在野の研究者説いた通史を追体験 ある年代以上の人間にとって、著者の名前は、ある種の感慨を惹(ひ)き起こす伝説の源であろう。遥(はる)か昔になったが、知らない社会層が大半を占める現在、多少著者の物語に触れることから始めよう。著者は大学院で理論物理学を専攻する俊英と目
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今週の本棚
『自見庄三郎回顧録 「郵政民営化」を止めた男』=伊藤隆・編
2024/12/7 02:01 489文字(中央公論新社・3190円) 今年8月に亡くなった歴史学者、伊藤隆東京大名誉教授の遺著。晩年は右派論客として知られたが、日本近現代政治史を、当事者の日記や聞き取り調査によって、当時のありのままに理解しようとする実証的研究手法を開拓した先駆者である。 百戦錬磨の聞き手が、自見(じみ)庄三郎元金融・郵
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今週の本棚
『在日サッカー、国境を越える』=木村元彦・著
2024/12/7 02:01 494文字(筑摩書房・1320円) 在日朝鮮人のサッカー選手にはいくつもの厚い壁があった。朝鮮高級学校は各種学校で公式戦に参加できず、国籍が障害となり企業チームへの就職もままならない。Jリーグの外国人枠は南米や欧州の選手で埋まり、「在日枠」も日本の学校教育法が定める「一条校」卒という条件付きだ。朝鮮高校卒な
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