本・書評
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難民、虐待…社会の「すき間」にこぼれたSOS アンテナどう張る
2024/10/5 10:00 2652文字難民申請が認められず強制送還された外国人、新型コロナウイルス禍で誹謗(ひぼう)中傷を受けた感染者、親からの虐待で命を落とす子ども――。法や制度の「すき間」にこぼれ落ちる人たちはいつの時代も後を絶たない。 大阪大大学院教授の村上靖彦さんは新著『すき間の哲学』(ミネルヴァ書房)で、こうした人々をすくい
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「海がきこえる」氷室冴子作品展 構想15年、主任学芸員の思い
2024/10/5 08:30 1430文字1980年代に大ヒットした小説「なんて素敵(すてき)にジャパネスク」、スタジオジブリによってアニメ化された「海がきこえる」で知られる北海道岩見沢市出身の小説家、氷室冴子(57~2008年)。その作品と生涯を振り返る展覧会が札幌市中央区の道立文学館で開かれている。 構想を15年以上温め続けてきたのが
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たまご絵本館で あす、秋まつり 移動動物園など 橋本 /和歌山
2024/10/5 05:01 172文字子どもから大人まで楽しめる絵本をそろえている「たまご絵本館」(橋本市高野口町大野)周辺で6日、秋まつりが開かれる。移動動物園や絵本の読み聞かせ、地元の農産物の販売のほか、絵本作家のハザマサキさんによるライブペインティングや手作り絵本体験などを予定する。午前11時~午後4時。問い合わせ先は、たまご絵
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今週の本棚
持田叙子・評 『息のかたち』=いしいしんじ・著
2024/10/5 02:01 1420文字(講談社・1760円) ◇人のしはるのが見えてしまう奇想 ぶわっははは。こんなことアリ? 思いつきもしなかったよ。うん、ふつう思わない。そこが作家さんの発想だし、小説ならではの世界だよ。でも腑(ふ)に落ちた。そうね京都が舞台なのもきれいだし、幸せなカワイイ気もちになる小説、時々は読みたいよー。同感
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今週の本棚・なつかしい一冊
松村由利子・選 『楡家の人びと 第一部~第三部(全3巻)』=北杜夫・著
2024/10/5 02:01 1011文字(新潮文庫 737~781円) 小学6年生の夏休み、ひたすらこの本を読んで過ごした。1学期の初めにテレビドラマ化されたのを見てすごく面白かったので、親にせがんで買ってもらったのである。 大正時代の初めから第二次世界大戦のころにかけて、東京で精神科病院を開業した楡(にれ)一族の物語なのだが、とにかく
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今週の本棚
張競・評 『陥穽 陸奥宗光の青春』=辻原登・著
2024/10/5 02:01 1361文字◆『陥穽(かんせい) 陸奥宗光の青春』辻原登 (日本経済新聞出版・2970円) ◇日本外交の父 前半生を活写 陸奥宗光を主人公とする小説を書くのはちょっとした冒険である。 史実にもとづくフィクションは時代によって物語を構築する方法が異なってくる。古代の人物は伝記的事実が断片的になりがちだから、歴史
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経産省PT
書店振興へ課題指摘 読書離れ、低利益率 経産省PT
2024/10/5 02:01 561文字減少する「街の書店」を支援するため、経済産業省の書店振興プロジェクトチーム(PT)は4日、「読書離れ」による来店客の減少や粗利率を抑制する流通慣行など、支援策を検討する上での課題をとりまとめた。今後、関係省庁連絡会議を設置し、書店支援の取り組みを進める。 PTは課題として、スマートフォンやゲーム、
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今週の本棚
中村桂子・評 『土と脂 微生物が回すフードシステム』=デイビッド・モントゴメリー、アン・ビクレー著…
2024/10/5 02:01 1426文字◆『土と脂(あぶら) 微生物が回すフードシステム』=デイビッド・モントゴメリー、アン・ビクレー著、片岡夏実・訳 (築地書館・3520円) ◇農業から見る環境の回復と健康 異常気象の中で、科学・科学技術の役割を考えている。宇宙開発やAIの活用などが先端とされるが、今必要なのは地球とそこに暮らす生きも
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今週の本棚
湯川豊・評 『惣十郎浮世始末』=木内昇・著
2024/10/5 02:01 1413文字(中央公論新社・2585円) ◇捕物帳超えた…奥深い闇に迫る同心 いわゆる捕物帳の一つではあるけれど、そんな枠組をはるかに超えた大きな小説、といいたくなる。 第一に主人公の定町廻(じょうまちまわり)同心・惣十郎(そうじゅうろう)をはじめとする登場人物の多彩なおもしろさ。第二に、惣十郎が取りくんだ事
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今週の本棚
『酒場の君』=武塙麻衣子・著
2024/10/5 02:01 504文字◇武塙(たけはな)麻衣子・著 (書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)・1650円) 客室乗務員、英語講師などを経て作家となった著者が2023、24年に出した私家版の好評を受け、書籍化されたエッセー集だ。東京、横浜を中心にした、庶民的な飲み屋の名店が舞台となっている。 40軒で供される料理と酒が淡々とだ
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今週の本棚
『アルコールで走る車が地球を救う』=本間正義、横山伸也、三石誠司、小島正美・著
2024/10/5 02:01 452文字(毎日新聞出版・1760円) ガソリン車の脱炭素への取り組みとして多くの国で活用されているのに、日本でほとんど知られていない再生可能エネルギーがある。バイオエタノール(アルコール)だ。 バイオエタノールの原料は、トウモロコシやサトウキビなどの植物。それらは生育時に吸収した二酸化炭素を燃焼時に出すの
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今週の本棚・CoverDesign
鈴木成一・選 『交差点の天使』『かめたいむ』
2024/10/5 02:01 144文字この紙上はおろかPC上でもこの書影は不正確だろう。蛍光色と銀色とスミの3色で再現されている。書棚にて、ゆるい絵画の装画が一際(ひときわ)光彩を放っている。ダブルで……。 ◆ ほぼ100字小説集『交差点の天使』『かめたいむ』(北野勇作著・ネコノス文庫・いずれも1210円)より。
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今週の本棚
『猫語の教科書』=沙嶋カタナ・漫画、ポール・ギャリコ原作
2024/10/5 02:01 461文字(KADOKAWA・1320円) 人間は猫に支配されるのか。 一匹の賢い美猫が、人間の飼いならし方を他の猫に教えるためしたためた原稿。それを手に入れた米国の作家、ポール・ギャリコが原稿を解読した(という体裁の)名作が、1964年に出版された『猫語の教科書』(原題『The Silent Miaow』
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今週の本棚
養老孟司・評 『死ぬということ 医学的に、実務的に、文学的に』『残された時間 脳外科医マーシュ…』
2024/10/5 02:00 2012文字◆『死ぬということ 医学的に、実務的に、文学的に』=黒木登志夫・著(中公新書・1320円) ◆『残された時間 脳外科医マーシュ、がんと生きる』=ヘンリー・マーシュ著、小田嶋由美子・訳、仲野徹・監修(みすず書房・3300円) ◇一般化はできない自分のこと、個別性 この二つの書物はどちらも死に関するも
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今週の本棚・情報
ベストセラー
2024/10/5 02:00 177文字<1>学力喪失 認知科学による回復への道筋(今井むつみ著・岩波書店) <2>なぜ働いていると本が読めなくなるのか(三宅香帆著・集英社) <3>吾妻鏡 鎌倉幕府「正史」の虚実(藪本勝治著・中央公論新社) <4>放送禁止。「あさ8」で知るニュースの真相(百田尚樹、有本香著・飛鳥新社) <5>老後ひとり
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今週の本棚・著者に聞く
乃南アサさん 『マザー』
2024/10/5 02:00 856文字◆乃南(のなみ)アサさん (講談社・1980円) ◇それぞれの母親像、意外な面 タイトル通り、母親をテーマにした短編小説5編を収録している。一言で「母」と言っても、その実像は各家庭で異なる。「それぞれの家庭にそれぞれの母親がいて、全く同じ家庭はない。そういうことを考えてみたかった」と話す。 「ワン
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今週の本棚・編集後記
今年も、まもなく…
2024/10/5 02:00 159文字今年も、まもなく「その日」がやってきます。ノーベル文学賞の受賞者発表です。日本の、いや世界の文学界が注目するこの賞。私たち新聞社の記者たちは、発表後の記事のため、できる限りの準備をして臨みます。私がいま、手に取っているこの本の著者は、もしかして……。答えは日本時間の10日夜に出ます。(代)<デザイ
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今週の本棚・話題の本
『ばらまき 選挙と裏金』=武田砂鉄
2024/10/5 02:00 835文字自民党の裏金問題が明らかとなり、その常習性が疑われたが、当事者たちは、知らなかった、みんなやっていたなどと幼稚な言い逃れを続け、党内でまかり通っていた悪事を隠し通そうとしている。 2019年の参議院選挙時に広島選挙区で起きた、自民党衆議院議員・河井克行が妻・案里を当選させるためにばらまいた裏金は、
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今週の本棚
『「ネット世論」の社会学』=谷原つかさ・著
2024/10/5 02:00 493文字(NHK出版新書・1023円) しばらく前から「ネットの力はすごい」とよく聞く。ネットの世論が社会を動かすとさえいわれる。本当にそうなのか。定量的なデータに基づいて分析したのが本書。2021年の衆院選や22年の参院選、23年の大阪府知事選などにおいて、X(旧ツイッター)でどのような投稿があったのか
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今週の本棚
『辺境、風の旅人』=芦原伸・著
2024/10/5 02:00 525文字(産業編集センター・1650円) 日本だけではなく世界各地を旅していることで知られる紀行作家が、とりわけ世界の辺境を旅した記録。 一九九〇年代から二〇二〇年代までのあいだ実に多くの地を訪れていることに何よりもまず驚く。 草原(サバンナ)のケニア、スペインからの分離独立運動が根強いバスク地方、イヌイ
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