連載
女の気持ち
女性読者からの投稿欄「女の気持ち」。「男の気持ち」とともに出来事や悩みなど「時代の心」を映しています。
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暑い街に住んで 福岡県太宰府市・香山博美(専業主婦・39歳)
2024/9/10 05:41 572文字結婚して太宰府市に住んで14年になる。観光地で有名な太宰府天満宮があるおかげで、県外の方にも太宰府に住んでると言えばすぐに分かってもらえる。今年また有名になった。猛暑日の国内連続記録を更新したからだ。最高気温35度以上の日が40日間続いた。太宰府の夏の暑さは分かり尽くしているつもりだったが、今年は
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基礎体温表 岡山市北区・友直茂子(主婦・75歳)
2024/9/10 05:41 540文字過日、本紙で現在の不妊治療に関する記事を読んで四十数年前の体験を思い出した。当時、「保険証は忘れても基礎体温表は忘れるな」の格言のような言葉があった。私も365日、毎朝、起床前に婦人体温計を舌の下側に入れ、3分間測っていた。 排卵日には体温が36度5分以下に急激に下がる。その後、高温期と呼ばれる3
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瞬く星に誓う 岡山市南区・石井弓子(主婦・69歳)
2024/9/8 02:00 555文字初めて流星を見たのは今から十数年前のこと。真夏に帰省してきた長女一家とのにぎやかな日々が過ぎ去り、ホッとひと息ついた夜。なんとなく窓から夜空を見上げた途端、スーッと一筋のきらめく光が走った。えっ、まさかの、あれが流れ星? グーッとなにかが胸に押し迫った。 亡き夫はずっと早朝勤務だった。まだ夜が明け
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あなたの分も 大阪市城東区・北村千登勢(主婦・63歳)
2024/9/7 05:18 548文字5年前、ずっとやってみたかったドラムの教室であなたと初めて会った。同じえと、12歳上のお姉さん。誕生日も近く、おしゃれでキラキラ好き。いかにプチプラ(安くていいもの)で人生を楽しむかという価値観も合った。レッスンの後に安くておいしいランチを探し歩いたり、ウインドーショッピングでおしゃれを研究したり
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カンナの花の歌 愛知県岡崎市・鳥居重美(自営業・75歳)
2024/9/7 02:00 531文字今年も猛暑をものともせず、赤や黄のカンナの花が堂々と天に向かって咲いた。六十数年前、実家の山形・鶴岡の家にもカンナが咲いていた。 ♪カンカンカンナの花さけば 赤いカンナの花さけば…… カンナを見ると口をついて出てくるこの歌は当時、かわいらしい子役だった松島トモ子さんが映画の中で歌っていた。 戦後の
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孫とのひととき 熊本県宇土市・岩本俊子(75歳)
2024/9/6 05:04 561文字孫の姉妹のうち長女がやって来た。この日は「家族新聞」作り。私たち祖父母と孫娘2人でスタートした「小さな新聞社」は7年目で、月に1回発行し71号になる。小学生だった孫たちも今は中学生。小3だった長女が担当した4コマ漫画は上達し、読者からお褒めの言葉をいただく。高齢を理由に写真のパソコン処理と題字書き
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ひとりごはん 東京都新宿区・金井美和(派遣社員・60歳)
2024/9/6 02:01 513文字今、「ひとりごはん」ほど楽しいことはない。 長い間、家族に食事を作り身の回りの世話をしてきたが、数カ月前に体調を崩し、夕食作りをしなくなった。子どもたちは独立。同居の夫には自分で食事を用意してもらい、しばらく休んだ。 体調が戻った後もそのまま成り行きに任せ「食事作りはしない」ということにした。案外
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孫からの贈り物 奈良県生駒市・濱口久子(主婦・64歳)
2024/9/5 05:25 562文字近所に住む孫と誕生日が同じだ。彼は2カ月以上前から誕生日が来るのを心待ちにしていた。一方の私は、忘れてしまいたいぐらいなのに、いやおうなくカウントダウンが始まってしまった。 希望通りの誕生日プレゼントをもらって幸せいっぱいで6歳になった彼は、ふと、ばあばにもプレゼントあげなきゃと思ったみたいで、「
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うそ 佐賀県吉野ケ里町・江崎幹子(73歳)
2024/9/4 05:25 566文字39年前、父についたうそが今も心に引っかかっている。筆まめな父から手紙が来なくなった。心配していたところ、弟から「父が検査入院している。明日、結果が出るので一緒に聞いてほしい」との電話があった。取る物も取りあえず病院へ駆けつけた。 医師は淡々と説明した。その後「余命6カ月です。本人への告知はどうし
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母のダイエット 兵庫県加東市・長谷川朋子(パート・57歳)
2024/9/4 05:24 556文字遠く宮崎に住む83歳の母親とたまに電話で互いの近況報告をする。父が亡くなって13年。その間に母も加齢による物忘れや勘違いはあるものの、週2回、友達と温泉でのおしゃべりを楽しみに1人暮らしを頑張ってくれている。 そんな母がこの半年くらい、食べ物のカロリーをやたらと気にするようになった。心療内科に通い
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ひとになる? 甲府市・木下久美子(理学療法士・59歳)
2024/9/4 02:02 532文字山梨県に住んで30年以上たち、ほぼ方言をマスターしていると思っていた。しかし先日、高齢の患者さんからかけられた言葉に、今も感情を支配されている。 私に子どもが4人いることを知ったその患者さんは「子どもさんたちはもう、ひとになったの?」と聞いた。 子どもたちが成人したのか尋ねているのかと思ったが、ど
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猫の鳴き声 福岡県田川市・藤井真由美(主婦・70歳)
2024/9/3 05:08 555文字ビニールハウスが並んだ夕方の散歩道。大雨の後の田んぼは水が濁っていた。アスパラガスのハウスを通り過ぎた時、猫の鳴き声が聞こえた。辺りを見ると、溝の向こう側に1羽のサギがじっと一点を見ている。 青々と育った苗で姿は見えないが猫がいるのか? サギが猫を狙ってる? スマホでサギの食べる物を調べたら、ネズ
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差しかけた傘に 大阪市西淀川区・榎本圭子(主婦・64歳)
2024/9/3 05:07 552文字6月のある日の昼前、耳鼻科からの帰り道でのこと。小ぬか雨とはこれか、と肌にまとわりつく湿気が不快で、傘を差していると、若い女性がトボトボと歩いていた。 なぜ傘を差さないのかなと見ると、抱っこヒモを使って右側に1人、左腕で1人、双子を抱っこしていた。傘を差せるはずがない。その若いお母さんが横断歩道の
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初夏のおひな様 仙台市泉区・阿部典子(主婦・60歳)
2024/9/3 02:00 551文字最愛の父が旅立ち、もうすぐ1年になる。大切な実家の売却も終わった。売却が決まったとき、まず頭に浮かんだのはおひな様のことだった。 私が1歳になる前に両親が購入したひな飾りは、かなり大きな段飾りだった。父は私がきれいなおひな様を見て、どんなに喜ぶだろうとワクワクしたそうだ。 だが、まだハイハイしてい
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「無理」の意味 京都市右京区・河嶋智子(主婦・61歳)
2024/9/2 05:04 531文字きれいなお母さんが増えたなと思う。 先日、通りかかった家の前にドーンと電動アシストのママチャリが置いてあり、後部席に2歳ぐらいの女の子がちょこんと座っていた。動くと危ないよ、と心配しながら通り過ぎようとしたとき、家の中からスラッとした女性が出てきた。華やかなネイルとシンプルなワンピースが似合ってい
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母の生き方 福岡県筑後市・野田さよ子(75歳)
2024/9/2 05:04 567文字生け垣の剪定(せんてい)をした。脚立に乗った時の足のふんばりが弱くなった。75歳の日ごろの生活が出たのだ。運動もせず、図書館で借りた本を読み、ゴロゴロしている。体が弱ったと思う時、母の生き方を考える。 母は90代半ばまで、5反の田んぼで、夏は米、冬は麦か大豆を作った。弟が「母ちゃん、みたむなか(み
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今ならわかる 茨城県阿見町・篠崎直子(パート・57歳)
2024/9/2 02:00 512文字あの夏、食卓の義母の席を一番いい場所にしたつもりだった。エアコンとテレビの正面だ。 なのに、義母は文句を言った。「足腰が冷たい」 なんだよ、なんだよ。「暑い」って言うから、せっかくいい場所にしてあげたのに。 あれから何年かして義母が逝き、今は私が義母の席に座る。 ごめんなさい、おかあさん。あのとき
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家の中のはて? 神奈川県・匿名(パート・27歳)
2024/9/1 02:00 556文字今年の春、女の子を出産しました。未婚で一人親のため実家で育児をしていますが、家庭内の性別役割分業に直面する機会が多くなりました。 両親は母が看護師で、父は会社員です。母は昼休憩も十分にとれないほど過酷な仕事を終えて帰ってきて、夕食づくりに食器洗い、洗濯など座る暇もなく動き回っています。対して父は、
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夕飯なあに? 大阪府枚方市・角野理美(主婦・79歳)
2024/8/31 05:07 554文字おひとり様生活になって2年半。健康のためには日々の食事が大切と肝に銘じ、毎日のメニューを考える。若い頃に通っていた料理教室の先生が「料理は自分のためではなく、人のために作るのです」と言われた言葉がさまざまな思い出とともに浮かんでくる。 数十年前、食べ盛りの息子たちのおやつにパンをよく作った。オーブ
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実家に帰る! 埼玉県所沢市・勅使河原亜矢(パート・51歳)
2024/8/31 02:01 500文字夫と小さなけんかをするたびに「実家に帰る!」と口にする。だが、実家は飛行機に乗らなければ帰れない距離だった。 実際にけんかで実家に帰ったことはなく、気がつくと仲直りしていた。ちょっとしたことではあるが、この一言をきっかけに怒ったり笑ったりしたものだ。 しかし、母の死で実家はなくなった。けんかをして
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