本・書評
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今週の本棚・次回の予定
9月14日の毎日新聞書評欄は『虚史のリズム』ほか
2024/9/9 11:00 444文字9月14日の毎日新聞朝刊「今週の本棚」で掲載予定の本の主なラインアップを紹介します。 ①中島京子さん評『虚史のリズム』(奥泉光著・集英社) ②池澤夏樹さん評『月ぬ走いや、馬ぬ走い』(豊永浩平著・講談社) ③川本三郎さん評『DV8 台北プライベートアイ2』(紀蔚然=き・うつぜん=著、舩山むつみ訳・文
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ヘミングウェイ、まず読むなら「日はまた昇る」 真に迫る魅力
2024/9/8 08:30 2189文字「老人と海」「武器よさらば」などで知られるアメリカのノーベル賞作家、ヘミングウェイ(1899~1961年)。まず一冊読むなら何がよいか。ヘミングウェイ研究者で関西学院大教授の新関(にいぜき)芳生さん(59)が薦めるのは「日はまた昇る」だ。【三角真理】 第一次世界大戦(1914~18年)後のパリとス
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母の激動人生モデルに小説 富山で出版 /富山
2024/9/7 05:08 431文字富山県発祥の米騒動が勃発した1918年に富山市に生まれ、その後、戦争や病気など激動の人生を歩んだ母親をモデルにした小説「愛し、きつメロ」(四六判、432ページ、1980円)=写真=が富山市の桂書房からこのほど出版された。著者で千葉県在住の小林孝信さん(75)は「母の人生を追体験してほしい」と話す。
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今週の本棚・なつかしい一冊
今尾恵介・選 『軍隊を誘致せよ 陸海軍と都市形成』=松下孝昭・著
2024/9/7 02:00 1036文字(吉川弘文館 1980円) 大きな城下町には、必ずといっていいほど星印の地図記号が付いていた。戦前の地形図を眺めるのが趣味の私は、城址(じょうし)の星の記号を見ながら、大袈裟(おおげさ)だが幕藩体制から近代国家への変貌を実感する。廃止されて久しいこれらの記号は、星を二重丸で囲んだのが師団司令部、一
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今週の本棚
橋爪大三郎・評 『戦時から目覚めよ』=スラヴォイ・ジジェク著、富永晶子・訳
2024/9/7 02:00 2126文字(NHK出版新書・1210円) ◇リベラルなリアリズムの思想家の希求 ジジェクは現代哲学を牽引(けんいん)する思想家。一九四九年生まれ、スロヴェニア出身で社会主義の暗部も熟知している。ポストモダン文体で煙(けむ)に巻かれるのかと用心しながら読むと、真剣にウクライナ問題と格闘している。論点も盛り沢山
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今週の本棚
三浦雅士・評 『音楽評論の一五〇年 福地桜痴から吉田秀和まで』=白石美雪・著
2024/9/7 02:00 1346文字(音楽之友社・3850円) ◇ジャーナリズム誕生から現在をたどる 冒頭に、三十年ほど昔の体験談が記されている。ある演奏会が終わった後、会場近くのホテルのバーで作曲家の石井眞木や池辺晋一郎らと同席、そのとき石井にいきなり真っ正面から「何で批評なんか、書いてるの」と問われたという。答えに窮して固まって
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今週の本棚
大竹文雄・評 『努力は仕組み化できる』=山根承子・著
2024/9/7 02:00 1328文字(日経BP・1870円) ◇意志の弱い人が楽に成し遂げるには? オリンピックのスポーツ選手は私たちに感動を与えてくれる。選手たちには、多くの努力をして、メダル獲得という形で報われたり、残念ながら報われなかったりするという努力の物語があるからだろう。努力していないことを公言する選手が才能だけで優勝し
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今週の本棚・著者に聞く
帚木蓬生さん 『香子 紫式部物語 全5巻』
2024/9/7 02:00 870文字◆帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい)さん (PHP研究所・2530~2860円) ◇生涯、作品とその過程を解く 紫式部を主人公に『源氏物語』の創作過程を小説化、作中作として『源氏~』の帚木版現代語訳も織り込んだ全5巻の大作だ。式部の日常と作中作の『源氏~』が交互に登場する構成。題名の「香子(かおるこ)
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今週の本棚・情報
ベストセラー
2024/9/7 02:00 175文字<1>アメリカはなぜ日本より豊かなのか?(野口悠紀雄著・幻冬舎) <2>放送禁止。「あさ8」で知るニュースの真相(百田尚樹、有本香著・飛鳥新社) <3>なぜ働いていると本が読めなくなるのか(三宅香帆著・集英社) <4>吾妻鏡 鎌倉幕府「正史」の虚実(藪本勝治著・中央公論新社) <5>老後ひとり難民
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今週の本棚・話題の本
『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む 走れメロス・一房の葡萄・杜子春・本棚』=花田菜々子
2024/9/7 02:00 838文字最近読書好きたちをにぎわせている本がある。『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む 走れメロス・一房の葡萄(ぶどう)・杜子春(とししゅん)・本棚』(大和書房・1760円)というタイトルで、大型書店でも軒並み売上ランキング上位に入り、いちばんいい場所にどんと展開されている。現在8万部突破の大ヒ
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今週の本棚・編集後記
先週の休載をはさんで…
2024/9/7 02:00 154文字先週の休載をはさんで、当ページはきょうから通常通り再開します。はや今年も9月、すっかり秋の気配が……と記したいところですが、まだまだ暑さの残る日が続いています。温暖化の進行で、今までよりも気温の高そうな「読書の秋」ですが、皆さんも体調に留意しつつ、どうぞ良き本との出合いを。(代)<デザイン・絵 寄
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今週の本棚
『コード・グレー 救命救急医がみた医療の限界と不確実性』=ファーゾン・A・ナーヴィ著、桐谷知未・訳…
2024/9/7 02:00 516文字◆『コード・グレー 救命救急医がみた医療の限界と不確実性』=ファーゾン・A・ナーヴィ著、桐谷知未・訳、原井宏明・監修 (みすず書房・3520円) 新型コロナウイルス禍の中で米国の救命救急室(ER)は混乱し、1年で3600人以上の医療従事者がコロナ感染で死亡した。「病原体としてのウイルスが怖いわけじ
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今週の本棚
『短歌を楽しむ基礎知識』=上野誠・編
2024/9/7 02:00 495文字(角川選書・1980円) 短歌が空前のブームになっている。その原因の一つに情報技術の進歩が挙げられる。短歌といえば、かつては師を探し、歌詠みのコツを身に着け芸を磨くのが王道であった。近年、ネット空間は作品発信のハードルを一気に低くした。もはや上手下手を気にすることはない。歌を詠みたくなれば、誰でも
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今週の本棚
永江朗・評 『「ビックリハウス」と政治関心の戦後史』=富永京子・著
2024/9/7 02:00 1348文字(晶文社・2750円) ◇懐古しないタイムマシンに乗ってみた 書名や表紙のデザインから、サブカルチャー懐古的な内容を予想する人がいるかもしれないが、少し違う。若者の政治関心について、1970~80年代の雑誌を例に研究する学術論文である。 日本人は、とりわけ若者は、政治参加や社会運動に消極的だといわ
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今週の本棚
ジョエル・ヨース評 『文房具の考古学 東アジアの文字文化史』=山本孝文・著
2024/9/7 02:00 1412文字(吉川弘文館・2090円) ◇文字浸透の歴史、墨書の未来 一千年後の考古学者がキーボードを発掘したら、二十一世紀の人々の字を書く行為についてどのような推測をするだろうか。昨今、人と人との間に交わされる文章の大半はキーボードで「入力」されているが、このツールへの思い入れはそれほど強くない。文房具は単
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今週の本棚
『戦友会狂騒曲』=遠藤美幸・著
2024/9/7 02:00 493文字◇『戦友会狂騒曲(ラプソディー)』 (地平社・1980円) 第二次世界大戦の戦争体験者の取材を続けている書き手は多くいる。激戦地を訪れ取材する書き手も。だがその両方をした上で、さらに戦友会や遺族の活動を20年近くにわたり支援する書き手は、評者の知る限りあまりいない。著者はその一人。本書は、戦友会の
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今週の本棚・CoverDesign
鈴木成一・選 『鷗』
2024/9/7 02:00 152文字まるで木版画のような、朴訥(ぼくとつ)なおおらかさが目を惹(ひ)く。意図したものだろう、色ムラや版ズレの演出も心憎い。用紙の細かなエンボスは、手にしてふっ、と心がゆるむ。 ◆ 俳句結社「麒麟(きりん)」主宰者の飄逸(ひょういつ)たる句集『鷗(かもめ)』(西村麒麟著・港の人・2530円)よ
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今週の本棚
『宮本研 対話コレクション』=宮本新・編
2024/9/7 02:00 491文字(一葉社・4950円) 戦後を代表する劇作家、宮本研(1926~88年)の作品は、亡くなった後も上演が絶えることがない。 大正時代を駆け抜けた女性解放運動家や革命家らの群像劇「美しきものの伝説」や、足尾鉱毒事件と田中正造に迫った「明治の柩(ひつぎ)」、自身の体験を出発点に戦争の実相を問う「反応工程
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今週の本棚
『電車で怒られた! 「社会の縮図」としての鉄道マナー史』=田中大介・著
2024/9/7 02:00 449文字(光文社新書・1100円) ドキッとさせられるタイトルである。東京など大都市の電車を利用していて駅員や周囲の乗客に注意されたり、逆にしたくなったりした経験を持つ人は少なくないだろうから。電車内という閉ざされた特異な空間から、日本社会のいまを映し出した“技あり”な新書だ。 車内やホームなどでの「エチ
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義足ってかっこいい 絵本2冊出版 パラ陸上・前川楓選手 「より速く遠く」目指す /三重
2024/9/5 05:10 728文字<Paris2024> 5メートルジャンパーになること、義足のかっこよさを知ってもらうこと――。パリ・パラリンピックで陸上女子走り幅跳びなどに出場する前川楓選手(26)=新日本住設=は二つの目標を胸に大舞台に臨む。「見た目が好き」とショートパンツからあえて見せてファッションに取り入れるほどで、義足
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