連載
女の気持ち
女性読者からの投稿欄「女の気持ち」。「男の気持ち」とともに出来事や悩みなど「時代の心」を映しています。
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私の清少納言 大阪府河内長野市・兵藤圭子(主婦・65歳)
2024/8/26 05:04 540文字NHKの大河ドラマ「光る君へ」で平安時代の文学が注目されています。その中で、ファーストサマーウイカさん演じる清少納言の「枕草子」の誕生過程が話題を呼びました。 「たった一人の悲しき中宮のために枕草子は書かれたのでした」。ナレーションの背景の美しさに、日本の景色は1000年たっても人の心に響くのだと
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心を隠し生きる 東京都・匿名(会社員・51歳)
2024/8/26 02:00 555文字8月9日、職場でお盆休み前の暑気払いパーティーが開かれた。乾杯!を合図に、にぎやかな宴が始まる。皆の笑い声が響く中、私の心はそこにはない。 ああ、あの人が「いない」。前回はそこにいたのに。 ちょうど6カ月前の2月9日、朝起きたら夫が亡くなっていた。脳出血。50歳。前夜まで普段通り元気だったのに。お
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7年前の豪雨 福岡県朝倉市・大隈美由紀(自営業・63歳)
2024/8/24 05:17 564文字小学1年の孫息子が「レンたちが生まれた時にいっぱい雨が降って35人の人が死んだり、いなくなったりしたとやんねえ」と、いきなり話しだした。平成29(2017)年7月5日の九州北部豪雨。今の1年生が生まれた年だ。どうやら1学期最後の日に先生がこの話を児童にしたらしい。朝倉市では33人が亡くなり、2人が
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純叔父のこと 大阪府茨木市・岸田尚美(無職・77歳)
2024/8/24 05:17 526文字亡き母には兄と弟があった。正(ただし)伯父は学徒出陣し、古参兵に東京帝大生という理由で散々な目にあわされた。歯は全て折られ、帰還したものの性格がすっかり変わっていたという。 一方の純(じゅん)叔父は、兄より優秀と言われていたが、ひどい近視で大学には進まず、旧制の専門学校に通っていた。そして同じく応
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大好きだよ 札幌市中央区・小田真由美(自営業・69歳)
2024/8/24 02:01 566文字息子が小学生のとき、国語の教科書に「ずーっとずっとだいすきだよ」という作品が掲載されていた。飼い犬と成長をともにした少年が、犬の死を迎えたとき、自分がかけてやっていた一言で悲しみの中にも慰めを得た様子が描かれている。当時、しつけにてこずる犬を飼っていたが、この言葉は毎日声に出して言ってやろうと思っ
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孫へも伝われ 岡山県備前市・松本直美(主婦・61歳)
2024/8/23 05:05 550文字長男とパートナーに女の子が誕生して1年がたった。私の初めての孫。生後1カ月の頃、「赤ちゃんて、こんなに小さかったの」と、おっかなびっくりで抱き上げるぎこちないおばあちゃん(私)の写真がある。 パートナーのご両親の手助けもあり、孫はスクスク成長し、誕生日を迎えた。体調不良で悩むことが多い私を可愛い姿
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やってみた 福岡県筑紫野市・中西和子(83歳)
2024/8/23 05:05 560文字法改正で相続登記が4月から義務化され、住んでる家の名義変更に期限が切られたことを知った。私は一人娘ということもあり、亡夫名義の家の名義変更をしていなかった。私のように変更していない人は国内に大勢いると思われる。面倒な手続きだとは何となく聞いていたが、プロに頼むと費用がかかる。その費用が捻出できない
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人生の宝くじ ベルギー・アントワープ市 加藤久美子(会社員・46歳)
2024/8/23 02:00 565文字昨年末、父が突然他界した。明け方眠るようにして逝った父は、ほぼ在宅介護状態だった。お世話を頑張っていた母を楽にするためか、と勝手にいいように受け止めた。 その数カ月後、母の膵臓(すいぞう)がんが見つかった。最愛の母までも失ってしまう、と目の前が真っ暗になった。不幸中の幸いではあるが77歳の母は膵臓
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まだがんばるぞ 福岡市南区・秋吉任子(86歳)
2024/8/22 05:06 554文字とうとう新車購入を決めた。まわりの同年配の友人たちは数年前にそれぞれ免許返納しているので、彼女らからは、無謀と思われるかもしれない。 つい先日までは、最後まで乗るつもりでいた今の愛車は乗り始めて20年になり、不具合が少しふえた。修理代も高くなり、故障もふえそうで、思い切って軽乗用車の新車に切り替え
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悲しいつぶやき 京都府八幡市・森孝子(自営業・71歳)
2024/8/22 05:06 553文字8月10日の新聞に長崎原爆の被爆者で詩人の福田須磨子さんの写真が掲載されていた。なんだか胸が痛い。 私が彼女の名を知ったのは55年前の夏、毎日新聞社が主催する青少年読書感想文全国コンクールの、高校生の課題図書「われなお生きてあり」であった。夏休みの宿題として軽い気持ちで手にしたが、この自伝的小説の
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体を動かす 東京都調布市・勝佳澄(主婦・66歳)
2024/8/22 02:01 539文字5日の本紙くらしナビ面で、長距離走に取り組む高齢ご夫婦の記事を拝読した。4年前に101歳で亡くなった母のことを思い出した。 母も運動が好きで若いころはテニスや登山、70代で卓球や社交ダンス、80代はフラダンス、90代はデイサービスで楽しく体を動かしていた。私が運転して公園に連れていくと、手押し車で
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子育てに思う 長崎県諫早市・江川泰子(アルバイト・68歳)
2024/8/21 05:21 568文字7月15日の本欄「怒らないで」を拝読した。2歳ぐらいの女児に母親が言ったという「グズグズしてから。ブッ殺されたいんか」の言葉に私もあぜんとした。女児はピンクの服だったから、普段は優しいママかもとあった。きっとこの母親はワンオペ育児で頑張っているのかもしれない。 生後8カ月の孫娘エマを連れて娘一家が
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セミの記憶 和歌山市・細川江美子(主婦・75歳)
2024/8/21 05:20 520文字連日の猛暑の中で元気なのはセミたちだ。アブラゼミやクマゼミの、暑さをさらにかき立てるような鳴き声も、つかの間の命と思えばいとおしい。 かつてわが家の裏庭に、幹周りが4メートル近くある大木が鎮座していた。幼い頃、父は太い枝に丈夫な綱をかけ、ブランコを作ってくれた。降るようなセミ時雨の中、心地よい風に
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閉め出された! 千葉県印西市・今野礼子(主婦・68歳)
2024/8/21 02:00 561文字1歳の孫娘とホテルの一室で留守番をすることになった。孫は部屋中スタスタ歩き回り、バスルームに入った。途端にガチャリと音がしてドアがロックされてしまった。 私は大慌てし、フロントへ連絡すべきかとオロオロ。すると再びガチャリと音がしてニコニコ顔の孫が出てきた。いつの間にかロックの方法をマスターしていた
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若い友 福岡県鞍手町・宮川眞知子(72歳)
2024/8/20 05:08 558文字「私たち、小さな国際交流してますね」と彼女は言う。中国・上海出身で15歳年下の女性。SNS上のバラ愛好家の仲間だ。気軽な気持ちでコメントを入れたのがきっかけで親しくなった。 2年前、思うように咲いてくれないバラへの悩みについて彼女が書いた写真付きの記事が目に留まった。同じ悩みを持った経験者としてア
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長男の結婚30年 高松市・玉井美根子(飲食業・73歳)
2024/8/20 05:07 553文字あのやんちゃだった長男が7月、結婚30年を迎えた。「どうや、おかんより倍も続いとるわ」と自慢げに言うが、私の夫は病死だったから、どうにも仕方がないのである。 思えば私の15年間の結婚生活は3人の子育てと夫の看病、義母、義妹との同居など大変なこともあり、夫が亡くなった後は自分がしっかりしなくてはと、
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自慢の姉 大阪市鶴見区・原智子(主婦・56歳)
2024/8/18 05:16 558文字今年のお盆は特別な気持ちで迎えました。2月に義母を見送り、6月には姉が突然亡くなりました。 姉とは3歳違い。亡くなるほんの少し前にも「週末にはモーニングに行こうね!」「了解!」と、メールで連絡し合っていました。待ち合わせ場所にはいつも優しいきれいな瞳で、笑顔で現れました。 元気、おしゃれ、華やか、
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誕生日の母へ 山口県宇部市・中野朋子(医師・60歳)
2024/8/18 05:15 570文字お母さん、今月お誕生日ですね。お母さんが私を産んだ7月も暑かったでしょうが、おばあちゃんがお母さんを産んだ8月もさぞかし暑くて大変だったことでしょう。高血圧の持病はあるものの、お父さんと2人で生活できていることは私の自慢です。白内障の手術のお陰で視力は良好、補聴器は不要、全て自分の歯。記憶力が衰え
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92歳の夏 福島県いわき市・鈴木さた(無職・92歳)
2024/8/18 02:00 534文字この強い日差しで6月に漬けた梅を干し、梅干しを完成させたいと思いながらも、どうしても今年の日光、猛暑とは仲良くなれそうにありません。今年は残念ながら「梅干さず」にするしかない、と決めました。 昨年までの長きにわたり楽しみに作り続けてきましたが、年齢のこともありあきらめました。初めての「梅干さず」は
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ペンフレンド 三重県伊賀市・藤岡妙子(主婦・75歳)
2024/8/17 05:16 554文字私にはアメリカ人のペンフレンドがいる。アメリカ北東部、カナダに近いメーン州の島に住み、年齢も近い。中学校の英語教師をしていた私は、英語クラブの生徒たちが文通しているのを見ていて、自分もしたくなったのだ。初めて手紙を送ったのは、彼女が第2子、私は第3子を妊娠中の時。あれから40年がたつ。 2人とも手
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