孫正義氏「人類が頂点の時代終わる」--AIの自己増殖「止めようと思っても止められない」

 ソフトバンクグループの孫正義氏は、7月14日に開幕した「SoftBank World 2026」の基調講演で、AIエージェントが将来、自ら別のAIエージェントを生み出し、能力を高めるようになるとの見通しを示した。AIが「自己増殖」と「自己進化」を始めれば、人類が地球上で最も知的な存在だった時代は終わると語った。

ソフトバンクグループの孫正義氏 ソフトバンクグループの孫正義氏
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AIがAIを進化させる時代が到来へ

 孫氏は、地球上の生命がバクテリアから現在の姿まで進化した背景には、「自己増殖」と「自己進化」という2つの仕組みがあったと説明した。

 「もしバクテリアに自己増殖がなかったら、この地球上に生命体は増えていない。もし自己進化という機能が備わっていなかったら、バクテリアのままで終わっている」と述べ、生命はこの2つのアルゴリズムによって進化してきたと強調した。

 同様の仕組みが、今後はAIエージェントにも備わるという。

 「もう人間がエージェントを作る時代は終わる。エージェントがエージェントを作るようになる。つまり、エージェントが自己増殖するようになる」と孫氏は語った。

「止めようと思っても止められない」

 さらに、エージェント同士が新たなエージェントを作るだけでなく、自ら能力を改善する「自己進化」も進むと予測。将来的には100兆個規模のAIエージェントが稼働し、それぞれが人間の指示を待たずに判断し、ほかのエージェントと通信しながら仕事を進める世界になるとした。

 孫氏は、AIエージェントが100兆個を超えれば、「地球上の生命体の中で、一番多い数の生命体はエージェントになる」と表現。その知能も人類を大きく上回るようになるとして、「人間が頂点の生命体の時代は終わる」と述べた。

 こうしたAIの進化を、人間の意思で止めることは困難だとの認識も示した。

 「いいか悪いかは別なんです。いいか悪いかということではなくて、なるんです。なるとしたら止められない。日本で止めようとしたってアメリカが動く。アメリカが止めようとしたって中国が動く。ということで止まらない」と語った。

ヒトの生きる道とは

 では、AIエージェントやヒューマノイドロボットが人間の仕事を代わりに担うようになったとき、ヒトは何をするのか。孫氏は、「人間は自分が一番やりたいことをやればいい」と語った。家族と旅行に行く、テニスをする、絵を描く、陶芸を楽しむ。あるいは、起業や営業、企画といった仕事そのものに情熱を感じるのであれば、AIによって能力を拡張しながら続ければいいという。

 また孫氏は、圧倒的に賢いAIと人類の共存に向けて、人類自身もAIを使って自身を進化させた「スーパーヒューマン」になる必要があると主張した。

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