パンタグラフ(英: Pantograph)は、菱形で収縮する機構に通常充てられる語。
製図用パンタグラフの例
製図用パンタグラフの機構。赤い線の絵を緑の絵のように拡大する。
ギリシア語の 「すべてを(παντ-) 書く/描くもの(γραφ、drawing, painting, writingの意味)」を語源とし、後述の製図用具の機構がパンタグラフと呼ばれるようになったことから、広く「菱形の収縮機構」を意味する言葉になった。
機械要素としては平行リンク機構を用いた道具である。
- パンタグラフは、原図をなぞって、拡大または縮小した図面を描く製図用具で、パンタグラフという語のルーツである。CADやCNCの発達により製図に用いられることはほとんどなくなったが、絵画の下絵の制作に一定の需要があり画材店などで入手可能である。(2023年10月現在)
ウルトラハンドのマニュアル
(1967年)
- 写真や映像の撮影に使われるスタジオ照明機材の吊り下げ器具。パノグラフなど。
- 写真フィルムの拡大焼きつけ機材である引き伸ばし機の変倍機構にパンタグラフを採用したものがある。
- 採用例にドイツ・ライツ社のフォコマート引き伸ばし機、日本の藤本写真工業の1970年代前半までのラッキー引き伸ばし機など。
エルノフレックス
(1923-27年)
フォコマートIIc
(1954年発売)
スイスの電気機関車の集電装置
(1911年製造/2007年撮影)
- 鉄道車両に用いられる集電装置のひとつ。頂部の2点が極端に近接した六角形である。形状が菱形以外に変わっても、パンタグラフという呼称が残っている。
パソコン用キーボードのパンタグラフ断面図
- パソコン用のキーボードで、パンタグラフ形のスプリングを用いたキーの支持機構(英語版)の名称。高さを抑えるため、平らなキーと小さなストロークでもON、OFFが確実なスプリングが必要なノートパソコン向けとして考案された。接点に均等に圧力がかかる構造のため、キーの中心からずれたタイピングの場合でもキーが認識しやすく、また、強い力を必要としないため、タッチが軽く、タイプ音も静かな特徴を持つ。
- 自動車の窓における昇降機構(通風量調整装置、ウインドウレギュレーター)のひとつ。円弧状の歯車との組み合わせで、手動式の多くと旧タイプのパワーウィンドウに用いられている。丈夫だが重量とコストが嵩むため、ワイヤ式に移行している。
ねじ式のジャッキ
(パンタグラフジャッキ)
- パンタグラフジャッキは、自動車修理に用いられる小型のジャッキであり、パンタグラフの機構を有する。