7月25日に「ジャングリア沖縄」が開業した。国内客のチケット代が海外客より2割安い。二重価格は他の観光地にも定着するか。
ジャングリア沖縄(沖縄県今帰仁村)は国内の主要テーマパークで初めて二重価格を設けた。1日券(12歳以上)の価格は海外在住者が8800円、国内在住者が6930円。あくまでも8800円が定価であり、国内在住者の価格は「日本在住の方への感謝を込めた特別価格」という立て付けにした。
企画した刀(大阪市)の久保田真也エグゼクティブ・ディレクターは「シンガポールの『ユニバーサル・スタジオ』など海外のテーマパークでは外国人客と在住者でチケット代が異なるのが一般的」と話す。開業後に来場客から価格に対する不満は特にないという。
観光立国を掲げる日本だが、増え続けるインバウンド(訪日外国人)が全国各地で地域住民とのあつれきを生み出している。渋滞やゴミ問題に加え、ホテルやレストランの価格が高騰し、地元客が気軽にレジャーを楽しめなくなり、生活にも影響が出始めている。
じゃらんリサーチセンターの松本百加里研究員は「地域住民は客であり働き手でもある。人手不足のため地元の支持がなければ(観光施設は)存続が難しくなる」と説明する。地元割引はこれらの問題を緩和する現実解であり、冬季観光客の9割がインバウンドの北海道・ニセコはその先頭を走る。
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