ウィリアム・オービット死去 マドンナ『Ray of Light』やブラー『13』などをプロデュース

2026/08/07 21:28掲載
 
William Orbit
William Orbit
マドンナ『Ray of Light』やブラー『13』などを手掛けたプロデューサーとしても知られた英国のミュージシャン/プロデューサー、ウィリアム・オービット(William Orbit)が死去。家族らがSNSで発表。69歳でした。

以下、声明より

「ウィリアム・オービット

1956年12月15日 - 2026年7月23日

ウィリアム・オービットの家族および友人一同は、深い悲しみとともに、ウィリアムが2026年7月23日に自宅で亡くなったことをお知らせいたします。

彼の訃報に、私たちは深い悲しみに包まれています。

私たちと、彼の音楽、友情、優しさを通して人生に触れた多くの人々にとって、彼の存在はかけがえのないものであり、その死は大きな喪失となることでしょう。

この困難な時期に、ウィリアムの家族と親しい友人たちのプライバシーを尊重していただきますよう、心よりお願い申し上げます」



ウィリアム・オービットは1956年12月、ロンドン郊外のパーマーズ・グリーンで生まれた。本名はウィリアム・マーク・ウェインライト。14歳の時に叔父のテープレコーダーを見つけたことがきっかけで音楽への愛情を育み、16歳で学校を辞めてイギリスやヨーロッパ各地を転々としながら、ギタリストとしての腕を磨き、ロンドンやパリでストリートパフォーマンスを行った。

1980年、彼はローリー・メイヤー、グラント・ギルバートと共にエレクトロニック/アンビエント・トリオのトーチ・ソング(Torch Song)を結成。レーベルIRSと契約して1984年から1987年にかけて3枚のアルバムをリリースした。

エレクトロニック・ミュージックの制作に精通した彼は、マドンナを含むポップアーティストたちのリミックスを手掛けるようになった。

オービットは自身の名義でも作品をリリースしており、特に1987年から1993年にかけて発表された『Strange Cargo』の3部作は、英国のエレクトロニック・シーンにおける名盤とされている。

1990年、オービットはヴォーカリストのシャロン・マスグレイブとラッパーのMCインナ・ワンステップをフィーチャーしたハウス・ミュージック・グループ。バソマティック(Bassomatic)を結成した。バソマティックの最大のヒット曲「Fascinating Rhythm」は、1990年のデビューアルバム『Set the Controls for the Heart of the Bass』に収録され、英国シングルチャートで9位を記録した。

同時期、オービットは他のアーティストのプロデュースも手掛け始めた。ベティ・ブーのアルバム『Boomania』に収録された「24 Hours」に参加した後、当時の恋人ベス・オートンのデビューアルバム『SuperpinkyMandy』を全曲プロデュースした。

一方、この頃、マドンナは新作アルバムの制作と自身の再定義に苦戦していた。彼女はR&Bプロデューサーのベイビーフェイスとのセッションを打ち切り、新たなコラボレーターを探していた。そんななか、オービットの実績が評価され、マドンナのマネージャーから楽曲の提出を依頼され、採用された。1998年の『Ray of Light』では、オービットはマドンナにエレクトロニカとトリップホップのサウンドスケープを提供し、「Frozen」や「Ray of Light」などのヒット曲を生み出し、彼女がグラミー賞を3部門受賞する一助となった。2000年の続編アルバム『Music』でも彼女と再タッグを組んだが、アルバム全体ではなく、ごく一部のトラックのみを手掛けた。

1990年代後半は、オービットにとって極めて多忙な時期だった。1999年、彼は『Pieces in a Modern Style』をリリースした。これはクラシック楽曲を現代風にアレンジしたアルバムだった。

1999年には、共同プロデュースしたブラーのアルバム『13』もリリースされた。マドンナと同様に、ブラーもプロデューサーのスティーヴン・ストリートとの5枚のアルバムを経て、自らのイメージを一新したいと考えており、オービットによる彼らの楽曲の以前のリミックス(アルバム『Bustin’ and Dronin’』に収録)に感銘を受けていた。『Ray of Light』と同様、『13』もまた、ブラーのディスコグラフィーの中でも最も独創的で、見事に完成されたアルバムの一つと見なされており、オービットはヒットシングル「Tender」や「Coffee and TV」を含め、実験的でありながらも商業的な楽曲をバンドと共に作り上げた。

1990年代後半から2000年代初頭にかけては、U2、ノー・ダウト、リッキー・マーティン、P!NK、スパイス・ガールズのメラニー・C、オール・セインツの楽曲もプロデュースした。2000年代半ばからは他アーティストへのプロデュース活動を控えめにしたが、特にロビー・ウィリアムズとの仕事や、2012年の『MDNA』でマドンナと再タッグを組んだことが注目された。

オービットはソロアルバムのリリースも続け、『Pieces in a Modern Style』以降、同作の2010年の続編を含め、さらに6枚を発表している。


彼の最後のアルバムは2022年の『The Painter』だった。

オービットは2021年、英ガーディアン紙に対し、4年前に薬物依存に苦しんでいたと語っていた。訃報を伝える声明には、死因については明らかにされていない。
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