ワシントンD.C.の議会(コロンビア特別区議会)は7月15日、チケット転売業者への取り締まりを強化する法案を可決。全会一致で、詐欺や不当な価格高騰からファンを守る「RESALE法(転売法/The RESALE Act)」を最終承認しました。
この法案には、コンサートチケットの転売価格を額面の10%上乗せまでに制限することや、年間50枚を超えるチケットを販売・広告掲載する転売業者にライセンス取得を義務付けることなど、多数の消費者保護策が盛り込まれています。
2026年6月時点で、全米20州で、チケット転売や投機的チケット販売に関する同様の法案が提出されています。
チャールズ・アレン議員が主導したDC版「RESALE法」には、これまで米国内のさまざまな州で提案・施行されてきた規制措置が数多く採り入れられています。具体的には、転売価格の上限を10%に設定することに加え、購入者が販売開始時からチケットの総額を確認できるようにする「ファンのためのチケット価格の透明化」、さらに転売業者が実際には保有していないチケットを販売・宣伝する「投機的チケット販売」の禁止などが含まれています。
また「RESALE法」では、年間50枚以上のチケットを販売・広告掲載する転売業者に対し、ワシントンD.C.への登録とライセンス取得を義務付けます。法案の支持者によると、これにより、二次流通市場における監督体制と説明責任が強化されるほか、購入者はプロの転売業者から購入しているのか、一般のファンから購入しているのかを把握できるようになるという。また、チケットが二次市場で転売される際には、販売者は購入者が確認できる形で、そのチケットの当初の販売価格を提示する義務も負います。
さらに「RESALE法」では、「サーベイランス・プライシング(監視型価格設定)」も禁止されます。これは、チケット販売業者が消費者の個人データを利用して価格を操作したり、購入者ごとに異なる価格を提示したりすることを防ぐための措置です。
また、この法案は、不正な事業者に対して責任を追及できるよう、ワシントンD.C.当局に必要な権限と執行手段を与える内容にもなっています。
DC版「RESALE法」は、独立系ライブハウス団体の National Independent Venue Association(NIVA)や、30以上のライヴ音楽・イベント業界団体、地元プロモーター、会場運営者で構成される Fix the Tix Coalitionから支持されています。NIVAの理事長であり、D.C.のI.M.P.、9:30 Club、The Anthemの広報責任者でもあるオードリー・フィックス・シェーファーは米ビルボード誌に対し、「RESALE法」が「全米におけるモデル法案となることを期待している」と語っています。
議会による最終承認を経た「RESALE法」は、施行に向けてワシントンD.C.の立法手続きの残りの段階を進む必要があります。まず、この法案は支持を表明しているワシントンD.C.のムリエル・バウザー市長の署名を受けなければなりません。市長が署名した後、法案は米国連邦議会の上下両院に送付されます。議会には30日間の審査期間が設けられており、その間に法案を否決するか、あるいは介入せずに成立を認めるかを判断します。市長が署名し、連邦議会による差し止めが行われなかった場合、この法律は2027年1月1日に施行される予定です。